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扉
狭間の世界に戻ってきた私はその場にうずくまってしまった。
殺された人
自ら死を選んだ人
全てが悲しかった。
『お帰りなさいアリス。扉は人の人生…物語りなのです。人間とは悲しい生き物…。全ての人が幸せとは限らないのですよ』
うさぎは私の頭を撫でてゆっくり立たせてくれる。
その手は温かく私の心に染み渡った。
そして次の扉に手を掛ける。
『ねぇ、うさぎさん。それでも私は扉を開けるわ。自分の世界へ帰らなくちゃ』
『えぇ。早く見つかると良いですね…行ってらっしゃいアリス。』