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扉
私はそっと扉を閉めた。
『如何でした?…おや、泣いているのですかアリス』
うさぎは私にハンカチをくれて涙を拭いた。
「この扉…私の扉だったの。…あの時助けてくれた鴉さんのお話だったわ」
そう…私の手の中で冷たくなっていった鴉さんの扉。
『そうでしたか。ここにある扉は過去現世未来を繋ぐ扉でもありますからね』
うさぎは私に温かい紅茶をくれた。
一口飲めばとても安らかな気分になる。
『落ち着きましたか?次の物語を見るか見ないかはアリス…貴女次第。
開けますか?開けませんか?』
私の答えは決まっている。
次なる扉に手を伸ばし
私は扉を開けた。