ほんの一瞬のロマンス260228
彼女と彼の
ほんの一瞬の出来事
その先のストーリーは・・・
彼は一人の女性と付き合っていた
しかし彼女は恋愛よりも仕事を優先していることに気付いていた
夏の終わり頃
彼女との恋愛はもう終わるだろうと感じた
彼は気晴らしに独りで車を走らせている
海岸沿いの道路は白く輝いて、独りには眩しすぎた
しばらく車を走らせていると一人の少女が道端で
訴えかけるような視線を送って来た
Tシャツにスェットパンツというラフな格好だ
たった今部屋から飛び出してきたかのような・・・
彼は彼女が何か困っているのかと思い
車を端に寄せた
『どうした?何か困りごと?』
『ね、近くの駅まで乗せてってほしいの』
『うん、いいけど。そのカッコで大丈夫なのか?』
『うん、わたしは平気だよ。ありがと』
彼は彼女をパッセンジャーシートに乗せて
『駅まででいいのか?目的地近くまで行ってもいいけど』
『ううん。駅まででいい』
『わかったよ』
最寄りの駅まで彼女を送ってから
『何があったか知らないけど、このあと夕立が来るから。この傘持ってっていいよ。いらなくなったら放置でかまわない』
『えぇ?こんなにいい天気なのに?』
『うん、降ると思うよ』
『優しい!ありがと』
『いいよ。またな』
『ありがとう、またね』
小さな駅のロータリーを過ぎながら
彼はバックミラー越しに彼女を見送った
西の空には暗い雲が近づいてきていた
その先のストーリーは
ふたりの気持ち次第




