第41話 入金~
発売された書籍の印税が入ってきた。
「おお。まとまった金額だ」
通帳には、年収よりは少ないが、ボーナスよりは多い金額が刻まれていた。
わたしは薄給の事務員なので、年収は多くない。
それでも一冊出したくらいでは年収には届かないのだ。
源泉徴収もなされているから本当に少ない。
「専業作家なんて夢は見られない金額だな」
しかし、推しを追加で推せる程度の金額にはなった。
「ボーナスよりは多いし。うわー、でもこの金額全部を使っちゃダメって言われてるな?」
書籍化のお金が入ると考えなければいけないのが税金対策だ。
なんでもかんでも税金のかかるご時世である。
あとから泣きをみないためには、警戒しておくほうが安全だ。
「ふふふ。青申告を進められたが、この金額なら白で充分」
今年は投稿サイトでの読まれた分へ与えられるご褒美報酬に加え、webでの商業連載分もある。
さらに書籍化印税もあるため、そこそこまとまった金額にはなる。
「でもデジタル文具買ったから。経費を引いたら残りは……あ、でも25万円は超えそうだねぇ。目標はクリアできそうだけど、税金が引かれたら……あ、メンドクサイ」
わたしの思考は停止した。
面倒なものは面倒なのだ。
ここは安易に誘惑に負けて推しに突っ込むよりも、税金の処理が終わったあとで推しに突っ込むほうが賢いだろう。
「源泉徴収分も戻して欲しいくらいだけど、どうせ追加で取るんでしょ? みたいな税制、どうにかして欲しい。やる気なくす。入金があっても、最終的にわたしが幾ら使えるか、さっぱりワカラナイ」
わたしはぶつぶつ言いながらもデジタル文具を立ち上げた。




