第31話 終わった!
仕事の合間に行われたドッタンバッタンな改稿作業も終わり、あとは出版社さん任せである。
そしてわたしは気付く。
「思ったよりもお小遣いが稼げていないな?」
書籍化作業が終わったら入金されるわけではない。
入金のタイミングは契約によりさまざまだ。
入るときには入るが、入らないときには入らない。
それが書籍化というものである。
「これは……お小遣い稼ぎ的には、よくないな?」
わたしはお金のことを考えた。
マズイ。
ちょっとマズイ。
書籍化作業のストレスで、なんかいろいろと買ったような気がする。
むろん仕事はやめてはいない。
一冊出すくらいで暮らしていけるなどという甘い考えはない。
しかし、だ。
わたしはビギナーズラック的な収入でちょいと気が大きくなっていた。
しかも書籍化である。
気が大きくなることはあっても、小さくなることはない。
幸い、一作目のお小遣いは換金処理をして入金済みである。
というか、あった。
入金はされたが、今はもうない。
「マズイな……」
書籍化作業は終わったが、わたしはちょっと焦っている。
この調子では、次の週末も久美子たちに泣きつかなければならない。
何がマズイって、泣きつき慣れしてしまって、罪悪感の欠片もないことだろうか。
「ふっ……ふふふ」
借金の申し込みをしないだけマシだろう。
わたしは1人、自室で小さく笑った。




