第3話 まずは投稿サイトに登録
わたしはメイン料理に舌鼓を打ちながら、web小説での稼ぎ方について説明を受けた。
メイン料理は、魚料理は秋鮭を使ったもので、肉料理はキノコを使ったものだ。
魚料理か肉料理かを選ぶことが出来るが、わたしは迷わず両方を選んだ。
食が細くても量を調整して盛り合わせにしてもらえるから大丈夫。
もちろん、わたしの食は細くない。
「それでどうやってweb小説で稼ぐの?」
「うん、まずは投稿サイトへの登録よね」
わたしが聞くと久美子が答えた。
「でもwebサイトへの登録って面倒じゃない?」
「そんなことないわよ。簡単にできるわ」
「そうそう。アプリが使えるから携帯電話で簡単に登録もできるし、執筆もできるわよ」
美香に言われて、わたしは目を丸くした。
「え~、すご~い。いつの間にそんな世の中に?」
「もう明日香ったらぁ~。とっくの昔にそんな世の中よ?」
久美子がケラケラと笑った。
しまった久美子はweb小説家だった、読んでいなかったのがバレる。
わたしはちょっとだけ冷や汗をかきながら話の先をうながした。
「で、それってどこのサイト?」
「いくつかあるわね。どこがいいかなぁ?」
「私が教えてあげる。明日香、携帯電話を出して」
美香がそう言うと、久美子が手を出して催促した。
食べ終わった食器が片付けられて広くなったテーブルの上に、わたしは自分の携帯電話を出した。
「えーと。読まれるとお金がもらえるタイプの投稿サイトは、ここと、ここと、ここ」
「ほうほう。ついでにダウンロードしちゃってよ、久美子」
「もう明日香ってば、ちゃっかりしてるんだから」
呆れたように言う久美子に向かって、わたしはエヘヘと笑ってみせた。
久美子が操作しているのを横から覗きながら、わたしは質問する。
「最近は色んな投稿サイトがあるんだね。ほかにはどんなサイトがあるの?」
「色々よ。出版社さんが運営しているサイトもあれば、投稿小説サイトを運営するための会社がやってるサイトもあるし。投稿して読んでもらえるだけ、ってサイトもあるけど、コンテストが開催されるサイトも多いわ」
「出版社さんの拾い上げが多いサイトもあるし、色々よね」
久美子が答える横から美香も情報を提供してくれた。
「ふーん。色々あるんだねぇ。時代は進んでいるな」
「ウフフ。もう明日香ってば。お年寄りみたいな言い方しないで」
久美子が笑うと美香もこらえきれないといった様子で笑いだした。
「ハハハ。変なトコが老けてるのよね、明日香は。最新のアニメや漫画の情報には詳しいのに」
「エヘヘ」
否定できない事実を指摘され、わたしは肩をすくめると笑って誤魔化した。
久美子がわたしの携帯電話の画面を眺めながら、満足そうに口を開く。
「まずはこんなトコかな? 投稿しながら作品を作っていけば、稼ぎながら長編とか書けちゃうわよ」
「それは嬉しいね」
久美子から自分の携帯電話を受け取りながら、わたしは素直な感想を口にした。
美香が右手の人差し指を立てて言う。
「まとまった長編作品ができたら、コンテストに応募するのもお勧めよ」
「そうなんだ」
「今日ダウンロードしたサイトは読まれないと稼げないけど、webサイトの運営会社と契約して稼ぐという方法もあるわよ」
久美子も追加情報をくれた。
「それはどのような?」
「投稿した作品を読んでもらって審査を通過できれば、契約してお金もらいながら投稿サイトで連載できるサイトもあるの」
久美子の横で美香も頷きながら言う。
「あぁ、あるね。そういうサイトも。閲覧に関係なくお金がもらえるから、稼ぎたいなら選択肢に入れてもいいかもね」
「それは魅力的。商業web連載作家とか、なんかカッコいい」
白いお皿に綺麗に盛り付けられたティラミスが出てきたころには、わたしのやる気は本格的になっていた。




