第24話 完結すれば落ちるが道理
「ポイントがガンガン落ちていくぅ~」
わたしは嘆きの言葉を吐くと、新年早々、他人様のテーブルの上につっぷす。
年始の呑気さが残る週末の午後、わたしは美香と共に久美子の家を訪れた。
今日も久美子の旦那さんは留守だ。
玄関が開いて久美子の顔を見た途端、わたしは開口一番で泣きついた。
「久美子ぉ~、わたしもうダメかもぉ~」
豊満な久美子の胸に飛びつき、エグエグとしながら泣き言を喚き散らした。
「はいはい。新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくね」
「ごどじぃもよろじぃくぅ~」
美香が背後で笑っている気配がする。
だが、そんなの関係ない。
完結を迎えたわたしの小説は、ランキング1位もとったし、お小遣い稼ぎにも成功した。
実際にお金が入ってくるのは来月あたりだろうが、一応目的は果たしたといっていいだろう。
「まぁ玄関先じゃアレだから、あがって」
「おじゃまぁ~しまぁ~すぅ」
久美子の胸へすがりつくようにしながら室内に入るわたし、その後ろに続く美香。
シュールな光景である。
今日の手土産は美香のお気に入りのお店で買ってきた焼き菓子だ。
年始の生ケーキは仕入れやら仕込みやらの関係であまり美味しくない、という美香のアドバイスを素直に受け入れた。
美香は去年のうちに手配しておいた高級紅茶を手土産に持ってきた。
とても用意がいい。
わたしも見習うべきだろうが、年末になった頃には綺麗さっぱり忘れていることだろう。
だがそんなのどうでもいい。
わたしはリビングの椅子に座ると同時に他人様の家のテーブルにつっぷして嘆いた。
「ブックマークもどんどん外れていくし。毎日ついてたお小遣いの金額もガンガン減っているぅ~」
「まぁまぁ。明日香は初体験だからそう感じるのも無理はないけど……そんなものよ?」
久美子が優しく頭を撫でて慰めてくれた。
美香も呆れたように言う。
「だから気にしないでいいって言ってるでしょ? 完結したのだから、ポイントも、ランキングも落ちてきて当然。読みたい人が読み終わったら、ポイントが伸びなくなるのは当然よ」
「わかってるけどぉ~……なんか、つらーい」
そうなのだ。
わたしの小説は完結ブーストを迎えた時が最高潮だった。
上がったら下がる。
それは当然の世の理なのだ。
「ふふふ。明日香ってば、本当にデリケートね。繊細なのは長所でもあるけれど、あまり気にする必要はないのよ。また新作を書けばいいのだから」
「そうよ。新作を書きましょう、新作」
2人は笑いながら慰めてくれた。
美香が持ってきた茶葉を使って、久美子が綺麗なカップに美味しい紅茶をいれてくれた。
気持ちが乱れているときには、美味しいものは効果がある。
あと友人な。
わたしは、久美子と美香に話を聞いてもらいながら美味しい焼き菓子と紅茶をいただいて、なんとなーく落ち込んだ気分から気持ちを切り替えて、元気を取り戻していった。




