第13話 新作公開の文字数で悩む
美香と久美子に相談をした翌日の日曜日。
わたしはベッドのなかでゴロンゴロンしながら作品公開の戦略について考えていた。
「えーと。6万文字あるし、話数は……60話近くあるんだっけ? 細かく分けすぎ~、って美香に笑われちゃったな」
わたしは昨日の会話を思い出しながら考えた。
「最初は目立たないといけないから、まとめて投稿したほうがいい、って言ってたけど。毎日更新して継続するのも大事って言ってたな。えーと、先週は1万文字くらい書けたっけ?」
現在鋭意執筆中の小説は、完結はしていない。
「公開初日と完結の時が読者さんに見つけてもらうチャンスだって言ってたな? それを考慮に入れると、最初に5万文字くらいまとめて公開しても……連載は間に合う? いやいや細かく分けすぎなのをくっつけて1話にしてくと、予備原稿が足りなくなるぞ?」
ぶつぶつ言いながら計画を練る。
「えーと、目立つにはランキング。新着のランキングに載るのがいいって言ってたな? ランキングに載るには、冒頭の3万文字くらいを、時間帯をずらしながら1日で公開するのが効果的らしい。文字数は多いほうがいいらしいから、マジで初日に5万文字入れちゃってもいいかぁ~」
わたしが色々と考えを巡らせていると、階下から母の呼ぶ声が響いた。
「朝ご飯で来てるわよ? 食べないと冷めちゃうわよ~」
「今行く~」
わたしはいったん考えるのをやめて朝食をとるために身支度を始めた。
※※※
朝食を摂って、両親とテレビを見て笑って、昼食を摂って、昼寝して。
お風呂に入って、夕食を食べたらだいたい日曜日なんて終わる。
「ん~。結局、公開のタイミングとか決められなかったなー」
わたしはベッドのなかで反省する。
すでに横になり掛布団をかけ、携帯電話の電源は切って寝るばかりの態勢を整えた。
ベッドのなかでの1人反省会は睡眠の質が下がるというのは聞いているが、だから止められるかといえば、それとこれとは別問題だ。
「今週も書き溜めておこうかなぁ。冒頭だけ一気に公開しても、連載が続けられないとダメだもんねぇ」
うんうんと1人ベッドで頷くわたし。
「稼ぎたいけど、それは早急にというわけではなく……金額も、美香たちと高級なレストランへ行く程度でいいわけだし」
わたしは少ないながらも定収入があるから焦る必要はないのだ。
とはいえ毎月1万円程度、お小遣いを増やすことができれば余裕ができる。
「目標は高く2万円だけど。2万円増えれば、推し活にも今より使えるし。……あー、その前に2人へお礼しなきゃだね。久美子の家へは手土産をもっていく癖をつけないと……」
大人への道はお金がかかる。
とりあえず年末年始の予算はボーナスからキープした。
ボーナスの半分は貯金ではなく、税金で消えるような気がするが、気のせいだろう。
「来年は車検があるから、まあ早めに、ちょっと稼ぎたいけど……いざという時には、お父さんに借りよう!」
わたしは両手で拳を作って天井に向かって振り上げる。
気合を入れるトコはソコで正解? と自分で自分に突っ込みを入れつつ、わたしは明日の為に目を閉じた。




