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【小説】web小説で25万円稼ぐには  作者: 天田 れおぽん @初書籍発売中


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第12話 戦略?

 わたしは翌週、久美子の家へと相談に向かった。

 夏と冬を行き来しているような秋の季節。

 今日は夏寄りの秋である。

 冬物の下着を選んだのは失敗だった。暑い。


 久美子の家へと到着すると、美香が先に来ていた。

 久美子の旦那さんは仕事で留守だ。

 美香の手土産のケーキと久美子のいれてくれた紅茶を飲みながら、わたしの持ってきたノートや投稿先に入れた未公開の小説をチェックしてもらう。


 わたしは手土産を忘れました。

 次はなんか持ってきます。……忘れなければ。


 誰もわたしの手土産ナシに突っ込むことなく、わたしの書いた小説をチェックしている。


 大人だ。


 小説は6万文字ちょっと書けていた。


 内容をチェックしていた美香が口を開く。


「んー、そろそろ公開しながら書いてってもいいかもね」


 久美子も口に含んだ紅茶をゴクリと飲み込んでから言う。


「6万文字あればいいかもね。もちろん、安全に連載したいなら書き上げてからのほうがいいかもだけど」

「そうね。エタるのは避けたいものね」

「エタる?」


 美香の言葉にわたしは首を傾げた。

 

「あ、わからないんだ」

「美香。明日香がわからなくても仕方ないわよ。初心者だもの」

「そうね」


 わたしは説明を求めて、2人を交互に見た。

 美香が説明を始めた。


「あのね。『エタる』ってwebで連載されていた小説が途中で更新が止まっちゃうことをいうの。エターナルからきてるのよ」

「英語の?」

「そうよ。web小説が未完成のまま更新されないのを『エタる』っていうの。web小説は別に何の拘束もないから、未完成のままでもいいわけだけど。それだと読者さんが悲しいでしょ?」

「うん。そうだね」

「だからなるべく『エタる』のを避けながら連載したほうがいいわけよ」


 わたしはホウホウと頷きながら聞いた。


「でもわたしは既に詰まっている。『エタ』りそう」

「あらあら大変」


 久美子が困ったように眉毛を下げた。

 美香が口を開く。


「私たちがアドバイスしてあげるから大丈夫。それに6万文字あるなら、当分は連載に困らないわ。1話あたりの文字数は2000文字程度がいいの」

「んー、そっか。長いとかえってよくない?」

「そうね。4000文字とかだと長いかもしれないわ」


 久美子の言葉に、美香はうんうんと頷いた。

 わたしは自分が書いた小説の文字数をチェックする。


「えーと、わたしの書いたものは1話あたり……あ、1000文字ないのも多いな?」


 久美子が悩みつつ言う。


「それなら複数話を一度に公開するのもいいわよね」

「そうね。間隔をあけて公開していくのもいいし、一度に複数話でもいいし。読者さんの反応を見ながら決めていくといいかもね」


 うんうんと頷きながら美香が言うが、初心者のわたしにはよくわからない。


「読者さんの反応はどこで見るの?」

「閲覧された回数を見るのかここで……ブックマークされたかどうかは、ここ。サイトによって見られる反応は色々よ。作品に評価がもらえるサイトもあるわ」


 美香の説明に、久美子が頷きながら情報を追加する。


「そうそう。1話ごとにイイネをもらえるようなサイトもあるわよ」

「ほうほう。なんだか楽しそう」


 わたしの反応に、美香も嬉しそうに頷きながら同意する。


「そうよ、楽しいのよ。楽しいと気分よく書けるのよね」

「あーそれいいなー」

「もちろん感想コメントなんかももらえるわ」


 美香の言葉を補うように久美子が言う。


「でも人気が出なくてもドンマイ。運もあるから、必ずしも作品の出来と評価が一致するわけじゃないから」


 わたしは頷いた。


「うん。それはわかっている」


 美香はノートを持ち上げると笑顔で言う。


「まずは私たちが読んで、明日香の作品に合った戦略を立ててあげる」

「戦略?」


 首を傾げるわたしに、久美子が説明する。


「投稿サイトに漠然と作品を公開しても読まれにくいのよ」

「そうそう。いろいろと攻略法があってね」

「一般的な攻略法っていうのもあるけど、作品の傾向にも合わせると効果的よ」


 久美子と美香が説明してくれるが、わたしは、いまいち感覚がつかめない。

 きょとんとしているわたしをみて、久美子が笑いながら解説する。


「サイトによって人気のある作品の傾向ってあるけど、明日香の書いた全年齢の異世界恋愛ファンタジーなら、だいたいのサイトで人気があるわ」

「もちろん全年齢で書いたら、18禁専門のサイトに投稿しても人気は出ない。作品に合った投稿サイトを選ぶところから攻略は始まっているのよ」

「ほうほう」


 美香がおどけていうのに、わたしは頷いた。

 久美子が具体的な話を始めた。


「公開開始の時間帯も読者さんが多そうな時間帯を選ぶのよ。全年齢の異世界恋愛ファンタジーだと、学生さんの通学時間帯とか、帰宅時間帯とかでもいいし。昼食時間帯でもいいわよね」

「曜日も平日はもちろん、週末だっていいわ。全年齢だと逆に悪い時間帯ドコというのが、分かりにくいくらいかなぁ?」


 美香が首を傾げながらいうのに、久美子も同意して頷いている。


 そういえばこの2人、官能小説寄りだったな。


 わたしに官能小説は無理だぞ?


「そうね。18禁官能作品なら夜は外せないけど、全年齢は逆に予想が難しいわね」

「ふふふ。官能小説は、やっぱり夜よね」


 むむぅ。

 大人の会話である。


 わたしは2人の話を聞きながら、自分の作品に合った戦略を考えた。

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