第11話 投稿計画
原稿が書けたら公開して読まれないと稼ぎにはならない。
「できれば年間で25万円くらい稼ぎたいなぁ。美香が『税金のことを考えたら20万円以内のほうが』って言ってたけど、そんな目標通りに稼げるわけないじゃん。目標くらい高く設定しないとね」
創作は細かいことを考えていたら病む。
わたしの目標は『お小遣い稼ぎ』だ。
「原稿の準備は一応進んでる、けど」
わたしはスマホアプリを使って書いている。
投稿サイトの編集画面を使って書いているから、公開をポチッとすれば投稿完了だ。
「んー、と。美香たちは何て言ってたっけ? 『よい小説が書けたからといって読まれる、金になるというセンシティブな考えはやめろ』だっけ? 攻略を考えないと読まれにくいって言ってたな」
明日は月曜日。
今日、公開してしまえばひと段落つくことになる。
わたしは寝る支度を済ませ、ベッドの上で携帯電話の画面とにらめっこしながら悩んでいた。
「まだ完成はしていないけど……5万文字くらい入ったかな? 週末にノートから2万文字くらいフリック入力できたから、ノートに書いた分はだいたい入ったな。プロットは半分くらい残ってるから、全部で10万字くらいになるとは思うけど、続きを書くのしんどいなー。今週は1万文字書けるかどうかってトコか」
わたしは今まで入力が済んだ分と、あと書く分量を考えた。
久しぶりの創作に楽しくなってしまったわたしは、最初はサクサクと小説を書いていった。
しかし途中で止まってしまったのだ。
「やっぱり反応が気になるからなー。とっとと公開しちゃおうかなー」
わたしはノートをまじまじと見た。
「書くことそのものは、ノートのほうが楽だけど。投稿サイトで公開するなら、やっぱり直接入力したほうが効率は良さそう。ただなー。フリック入力は大変だから、頭が働くかどうかが分からないけど……んー。要点だけノートに書いて、フリック入力にしちゃう? それともパソコン待ち? 悩むなぁ」
わたしはノートと携帯電話の画面とを見比べた。
「公開の仕方もテクニックが要るし、読まれても焦るし、読まれなくても焦るって久美子が言ってたなぁ」
ちょっと今のわたしには理解のできない感覚だ。
「一気に公開しちゃっても読まれにくいし、チマチマ連載で間が空いちゃってもダメ。公開する時間帯も考えなきゃいけないし、一話ごとの文字数も考えて、とか難しいんだよ。そりゃ稼ぎたいから、少しでも多く読まれたほうがいいけど。慣れてないのに、あれこれ同時に考えなきゃいけないのしんどい。そもそも小説書くの大変なんだよ」
わたしは溜息を吐いた。
迷ったときには動かないほうがいい。
「とりあえず明日は仕事だからなー。んっ。今日は寝ようっと」
わたしはノートを閉じ、携帯電話の電源を落として眠りについた。




