5、父ちゃん
魔術を好きに使うとなると、人里から相当離れた場所にした方がいいな。
前よりも遠く、遠くの場所が良い。
あの時は、思ったより被害が出てしまった。まさか山が消し飛ぶとは…、魔力を放出しただけなのに。
今回は高度な術式も試す。前よりは制御出来てるとはいえ、まだ不安定な所もある。
それに、この身体だ。想定外な事も起こる。
さて、どうやって探そうかなぁ。前は身体強化で走ったけど、疲れるんだよなぁ。
よし。空飛ぼう。
はじめてだけど、物は試しッ
―――――自然魔術 風系統〝風翔〟―!!!魔力過多!!!―
「うああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁaaaaaaaaaaaa」
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「探すのだっっ!片っ端から探せ!隅から隅まで探せ!余すことなく探せ!」
「何も答えない奴は何しても構わん」
「な、何の用だ…」
「怖がらないで下さいよ。僕は答えて欲しいだけなんです。あそこに置いてある写真の子供何処にいます?」
「し、知らない、」
「ほぇー。そうですか。知らないんですか。」
「そうだ!だから他を」
ぼと、
「ぁぁああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"…」
「噓ついてますよね。僕は分かるんです。色々。」
「ついていない…本当に知らない、」
「強情ですね。そこまでして隠したいものでしょうか。自分が危機に瀕しているというのに。良いですよ。腕の次はどうしましょうか。」
「何をしても出てこない、俺は何も知らないんだから…」
ぼと、
「ぐが…ぁぁぁあああ"あ"あ"…」
「四肢が離れましたよ。まだ言わないんですか。」
「言うもなにも。知らない、言うことなんて何もない。」
「そうですか。ヒトって意外と我慢が上手なんですね。分かりました。もういいですよ。時間をくださりありがとうございました。」
「あ、あぁ。もういいのか?」
「えぇ。もういいです。」
自然と写真に目が行く
「父ちゃん、頑張ったぞ。お前を守れた。と思う。父ちゃん何とか生きている、お前も絶対に生きろ。そして、絶対また会おう。会ったら沢山抱きしめ
ぼと、
頭が体と離れた。
「もう。飽きましたから。」