3、リベル・ラルシャル
俺の名前はリベル・ラルシャル
そう名付けられた。
現九才 来月には十才になる。
大分この身体、この生活に慣れてきたと思う。はじめは困惑こそしたが今は整理し、理解できている。
ラルシャル王国 第四王子として生まれた。
兄が二人、双子の兄弟が一人いる。俺の方が先に出てきたのに弟らしい。奥にいる方が先に受胎したからとからしい。まぁ、些細なことだが。
王は長男が継ぐことが決まっている。長男に何かあった時には次男が継ぐということになっている。
つまり俺は王位継承とはほぼ無縁なのだ。それに王にはなりたいとも思わない。責任とか、政治とか、大変そうだ。
兄が三人とも継げなくなることは まぁ、ないだろう。たぶん。この国平和だし。
そういうわけで
俺は自由に、気楽に、楽しんで、有意義に過ごす。
両親もそう願ってくれている。
前世では時間こそたんまりあったが財力がなかった。
魔術書は基礎のものしか持っていなくそれを一語一句全て見ず言えるほどに読んでいた。どんなことも基礎は大事だし、学びは毎回あった。なので飽きはしなかったがたまには他のを読みたくなるものだ。
今世では有り余る財力でそんな欲も満たせる。幸せだ。
それに なんと この身体には魔力があるのだ!
これで前世では学んでも脳内シミュレーションしか出来なかった魔術が実際に使える!
「SA I KO U DA!!!!」
天国だ。
ただ魔力が多すぎる。最初の黒い火球も魔力濃度が高かったから黒く変色したのだろう。
魔力がありすぎて制御するのに苦労した。沢山骨が折れた。
一体どれほどの山を消し、地形を変えたことか。地図を書き換えるのも大変だったと思う。伊能忠敬も激おこぷんぷん丸になるだろう。
まぁこの世界に伊能忠敬は存在しないが。
じゃあなぜその名前が出てきたかって?
まぁいいじゃないか。些細なことだ。
今は図書室にこもって魔術書を読んでは実践し、読んでは実践し、を繰り返して過ごしている。
前世でこれでもかと学んだ基礎も実際に使ってみるとまだまだ沢山学びがあるのだ。
「なんて素晴らしい空間なんだぁ…///」
「ここで一生暮らしていたい。もうここにぼくの墓石も立ててしまいたい。」
ただ図書館の中だと限界が来るな。
手のひらの上で出来る基礎的な魔術は室内で出来るがそれ以上は城の壁、その他もろもろ、消滅させた身。
結界を張っていても不安が残る。
てかそもそも
城の中では基礎魔術も使ってはいけないのだ。もし、また魔術でやらかしたとなったら………
想像しただけで恐ろしい‥‥
試したいこと沢山あるんだけどなぁ
「魔術を好きに使っても大丈夫な場所、どこかにないかな?」