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著者:圭太

 ハワイでの挙式から2年。僕は今、1人で、僕だけの、僕だけによる、僕だけのための晩酌の準備を進めている。あの人に喜んでもらおうと思って磨いた料理の腕も、無駄に上手になってしまった今では憎たらしい。あの時に褒めてもらった一品を手際よく作り終える。フライパンから皿へ雑に移し冷蔵庫から今日の酒を取り出してリビングへ向かう。電球は取り替えているはずだか、どこか薄暗いような気がする。あんなにひどい喧嘩をしたのに別居という形で関係を保っているのは、僕がまだあの人を好きだからで、また、いつかあの人も同じ気持ちになるのではないかという希望的観測からの身勝手な理由であるが、この1人で考え耽る時間もまた辛い。今日もまたひとりで寝るのだろうか。昔の人間はつがいのヤマドリが夜になると谷を隔てて別々に寝るところを見てかの有名な歌を詠んだそうだが、現代の人々はこの僕の有様を見て上手く昇華してくれるだろうか。常時つけっぱなしのテレビをよそにXの嘲笑コメントを見ながら僕は祈った。


【参考短歌】

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

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