地図
「お話が終わったら私の部屋にいらしてくれる?シシー」
「…分かりました。後ほど伺います」
「ありがとう。さて、リリー。顔合わせのお相手の話をするわよ」
「はい!お母様!」
ようやく朝食が終わった。
ただ食べて雑談して終わるはずだったのに、とんでもない話になるところだった。
父とシシーが先を歩いて応接室へ歩くのに続きつつ、こっそり息をつく。
妹の縁談の件は喜ばしいが、シシーと私についての婚約は冗談にして良いものではない。
きっと父上は半分、いやかなり本気だった。
妻にしなくともそろそろ『お相手』らしき女性を連れてこい、と。
(だとしても恩人を『相手』にするなど…いや、よそう。今はそんなことは考えるな)
これから重要な話をするのだから。
気を取り直して、意識を『結婚』から逸らした。
■
シシーが宝石のことを『石』と言ったのは驚いた。
『石』の価値が高い認識はあるようだが、彼女にとって宝石もアクセサリーもズメイのために買うもので、自分のために使うことは考えもしないらしい。
現に、持っている宝石といえばイヤーカフについている黄色で揃えられた小さなものだけだそうだ。
ヒュミル山脈に宝石の鉱脈があることも驚いたけれど、ビザンチンとの国境で途切れているとはいえ、あのカザンビークと繋がるような山脈だ。
むしろ無い方がおかしいのだろう。
ヒュミル山脈に鉱脈があることを、私たち以外に話したことがないと言っていた。
そのことに父も私も、素直に感謝する。
領地で鉱脈が見つかったとなれば、王都の方から何かしら言ってくるだろうし、あちこちから開発や商売の取引を持ち出されて、要らぬ厄介ごとを抱え込むことになっただろう。
こっちとしてはドラゴンの住処であるヒュミル山脈を開発しようなんて気すら起きないというのに、利益に目がくらんだ者たちが引っ掻き回すのが容易に想像できた。
シシーと私たちとでは『基準』が違うと感じるのはこれが初めてではない。
この後の話でもその差が出てくるだろう。
気を引き締めて、応接室に入ってドアを閉めた。
二人掛けのソファが2脚、低いテーブルを挟んで向かい合っているそこに、すでに対面で座っている父とシシーが座っている。
シシーの隣に間を空けて座り、彼女の味方であることを言外に示した。
「茶が来るまで雑談を、としたいところだが、そうも言っていられないようだね、シシー」
「…申し訳ありません」
「構わない。さっきはすまなかった。娘の件で浮かれていた」
食堂を出る時から彼女がソワソワと落ち着かない風だったのには気づいていた。
捕らわれている竜を助けたい。
その一心で私に取引を持ちかけてきたのだから当然だろう。
私の方を見て一つ頷いた父上を確認し、彼女から渡された黒い硬貨をテーブルに置く。
騎士団に所属する魔法使いに改めて確認してもらったが、魔法も呪いもかかっていない、ただの硬貨だが、シシー曰く『流通している硬貨ではなく、熱にすぐ溶ける上に削れるので仲間の証明をするためのもの』なんだそうだ。
こういったものを使う輩は徒党を組んでいるので『組織だった犯行』と見るのは当たりだろう。
「これについての調査を望んでいるそうだね」
「はい」
「ドラゴンたちを捕まえている組織があり、その組織が国の後ろ盾を得ている可能性があると。その情報はどこから得たものかな?」
ふむ、と唸りながら黒い硬貨を持った父は、裏に表に横にと眺め、黒光りする模様を指先で撫でた。
火を吹いてドラゴンを突きさす剣の模様。
物語で見るようなものあるけれど、たしかに硬貨として扱っている国はなく、騎士団や家門が使用しているものではない。
少なくともシドニアのものではないのは、両親と共に確認済みだ。
シシーが得た情報は全てカザンビーク王国からのものだという。
「カザンビークも協力を?」
「お館様に調査だけお願いしました」
「なるほど。そういえばあの国はドラゴンを敬っているのだったか…それにしても親しげだね?」
「離宮に泊まらせていただいたので」
「離宮に?なぜ?」
「竜も泊まれる宿があると聞いたのですが、それが離宮で…」
そんなに肩を狭くしなくとも…不可抗力なのが分かるのに。
悪さをした犬が申し訳なさそうに項垂れ、か細く鳴く姿となぜか重なってしまい、慌てて頭からその想像を追い出した。
恩人である彼女に、しかも人間のシシーに犬などなんて失礼な。
気を取り直して父を見つめ、膝の上に乗せた拳に力を入れる。
「父上、彼女が望んでいるのは調査だけです。協力を」
「……お前はそう思うか」
「はい」
「それで恩を返そうと?」
「もちろんです」
手の平に乗せた黒い硬貨を見つめ続ける父は、私を見ないまま『他に理由は?』と聞いてきた。
他の理由。それは、シシーから話を聞いて感じた直感。
父を前にして、点でしかなかった直感がようやく線になった気がする。
「…ドラゴンを生かして捕えることに違和感があります」
「違和感」
「ドラゴンは薬や武器の素材となりますが、それは討伐後のもの。『生かす』手間と『捕える』手間を考えれば利益など無いに等しいでしょう。それをしないということは、別の目的があると考えました。その目的を隠せるだけの組織となると、国が関わっている可能性は高い」
「なるほど。一理ある。その目的とは?」
「推測ですが、ビザンチンが新しい武器を開発中だとか」
「、そこに結びつけたか」
硬貨をテーブルに置き直し、手を組んで沈黙する父は思案中なのだろう。
今この時まで、父は協力に『是』と言うと思っていた。
受けた恩は返すもの。そう私に教えたのは父だ。
今回は私の命を救っただけでなく、騎士20人も救ったのだ。
父個人へだけでなく、ノルトマルク家全体の恩であるともいえる。
故に、なぜ父が悩むのか分からない。
大きく息を吸い込んで身を起こした父は、待っていなさい、と立ち上がって一度応接室を出て、丸まった何かを手にすぐ戻ってきた。
その手にあるものには見覚えしかない。
「これはノードリッチ、我が領地とその周辺の地図だ」
「父上、良いのですか?」
「空を飛んで地形を確認できるんだ。今さらだろう」
父が持ってきたのはノードリッチを中心にしたシドニア騎士王国全体の土地が記された地図。
大きな羊皮紙に描かれているそれには小さな村の名前も大きな都市、水源である川とそこから分岐した支流、海岸の細かい凹凸までもが記載されている。
国全体から集められた測量士たちが地道に努力し、その知識をもって作り上げた、空から見たかのように記された最新の地図だ。
これが外に出回ることはない。
王家を除く外部の者が手にすることができるのは、だいたいの方角と、街と街を繋ぐ距離、そして地形の特徴だ。
そういう地図に道が書かれていても『二股の木を分岐点とし、黄色い紐がついている方に行けば街へ、青い紐がついている方に行けば港へ』といった表記がされているだけで、しかもその表記が絵で記されていたりするので全体を見渡すには正確性に欠ける。
そういう地図が一般的なのにはもちろん理由がある。
一番は侵略しようという輩に進みにくくさせるためだ。
森の広さ、野営が出来そうな水場の場所、山の大きさに斜面の角度、街と街との正確な距離など忠実に再現された地図があちこちに出回れば『どうぞ行軍してください』と言っているようなものである。
そんな最新の地図と共に一つの箱を持ってきた父がシシーにそれを渡した。
中でカラカラと音を立てるその蓋を開くと、戦略を立てる時に使う、砦や歩兵隊、騎馬隊などを意味するチェス駒のような模型が入っている。
見慣れなければおもちゃのような模型の一つを手に取り、彼女は静かに戸惑っていた。
「これまでにドラゴンが捕らわれていたという場所を教えて欲しい」
「…それに何の意味が?」
「戦略を立てるにはまず下調べが必要だろう?」
長く接していれば怒っているわけでも、睨んでいるわけでもないのが分かるが、今の父の表情は端から見れば『険しい』以外にない。
ミグによれば私も『似たようなもの』らしいが、父のように子どもが泣く程ではないと思う。
それはさておき、背もたれに背を預けて脚を組んだ父から手元の駒に視線を移したシシーが、テーブルの上に広げられた地図の上に一つ、二つと置いていった。
シドニア騎士王国は北と南に海岸を持っており、西側に大陸の『最果て』と呼ばれる国を持つ。
東側は言わずもがな、ビザンチン王国とカザンビーク王国が大きく接し、小国とも違う領地と接している。
南側の海岸に二つ、南方地域の国境線付近に一つ、『最果て』の国に属する島に一つ、国内の西側に三つ、ビザンチン王国の海岸線に一つ…正確な位置を覚えているようで駒を置いていく手に迷いは無い。
最後にカザンビークの下側に位置する小国に一つ置いた彼女は、最後に全体を見渡して『これで全部』と告げた。
駒の数は合計で12カ所で、捕らわれていたドラゴンは大小含めて35頭。
駆けつけたものの治療が間に合わないこともあったとか。
助け出しては治療を施し、一人で調べ続けて4年。
最初は乗り込んで建物ごと壊す、と簡単なことだったのに回を重ねるごとにドラゴンを捕えている場所が魔法で隠されたり、攻め難い地下にあったりと救出が難しくなってきたのだという。
ここ最近で行ったのは小国にある渓谷、その奥深く。
『隠蔽』の魔法がかけられて建物が見つかりづらかった上に、ドラゴン自体にかけられる『束縛』の魔法が今までで一番強固になっていたので、ドラゴンの『声』が聞き取りづらかったのだそうだ。
(ドラゴンの声か)
頭の中に直接響くように聞こえるというその声を、シシーは夢の中で聞くのだという。
ズメイとの会話は『相棒』故に起きていても聞こえるが、遠く離れているドラゴンとは夢の中でしか話せないと。
目の前にいるドラゴンとはどうなのかとふと疑問に思って聞けば、そちらは本来の鳴き声に重なるように人間の声で聞こえるそうだ。
「言語を理解するための特殊な魔法を使っているのかい?」
「使ってないです。竜は自分が認めた者に対してしか言葉が分かるようにしないから」
「ドラゴン側に決定権がある、と」
「そうです」
むう、と黙り込んだ父の言わんとしていることは分かる。
シシーにしかドラゴンの声を、言葉を、その訴えを理解できない。
つまり、ドラゴンが理不尽に捕らわれているのか何か理由があって捕らわれているのか、こちらで判断できないということ。
もし暴走状態のドラゴンを捕まえているだけだとしたら?
もし人に害を成したから遠ざけているだけだとしたら?
その不安はあるが、もしそうならば、シドニア中がもっと戦々恐々としているだろう。
この4年間で35頭ものドラゴンが国の周りを囲うようにいたのだから。
人の口に戸は立てられない。
組織だって隠していたとしても『人里の近くにドラゴンがいる』といった噂が流れては、国も調査に乗り出すだろう。
そうなっていないということは、隠したい理由があって巧妙に隠されているということである。
「『束縛』に『隠蔽』しかもより巧みに、より強固になっているということは優秀な魔法使いがいるな。この硬貨を持っている者と話したことは?」
「ありますが…間に合わなくて」
「「間に合わない?」」
「…救出時に倒壊した建物に潰されたり」
「「倒壊」」
「火傷の傷が深すぎて手当てが間に合わず…運良く生きていても毒で自決するんです」
「毒ときたか…」
シシーの事情を聞けば聞くほど一人では手に負えないことが分かる。
ドラゴンの救出は他のドラゴンの手を借りられても、治療も調査もできるのは人間であるシシーだけ。
ズメイに乗ればあちこち飛び回れるため『速度』はあっても明らかに手が足りない。
(4年間、ずっと戦い続けてきたのか)
戦いというのもおかしいが、彼女にとっては同じ事だろう。
家族に等しい存在を傷つけられ、どうにかしたくとも後手に回る日々は、想像するだけで歯がゆい。
そんなところに私たちが現れたものだから、手助けを得るチャンスだと思ったんだろう。
「事情はよく分かった。国内にもドラゴンが捕らわれていたとなったら、我々としても動かなければならない」
父がそう言ったのに対し、顔半分が隠れていても分かるほど瞳に希望を宿したシシーが前のめりになった。
駒の置かれた地図を見つめ続ける父を前に、私も今後の計画を頭の中で組み立て始める。
何が先だろう。まずは一番近い『潜伏先だった場所』に行くことだろうか。
彼女も同じだったようで、これからを話す声が明るい。
「一番近い場所はここで、まだ建物が残っているは「だが」ず…、?」
前のめりのままのシシーが口を開いたのを遮った父が、眉間に皺を寄せてうなるように言う。
協力できない、と。
その『否』の一言に息を呑んだのは隣にいるシシーだけでなく、私もだった。
シシーは正直に話した。知っていること、行った場所、4年間の軌跡全て。
嘘を言っていないのはこの1ヶ月の行動で分かっているし、父にもそう伝えたというのになぜ協力できないのか。
理解できない父の言動に言葉を返そうとしたが、指を組んだ手の平に隠れている男の表情を見て喉が詰まる。
今まで見たことのない、苦しそうな表情の、その意味は。
「君の苦労も、努力も理解できる。ドラゴンは魔獣だが、君は『竜の民』。ドラゴンを仲間として生きるその心は辛いものだろう。何がなんでも助けたいと思うはずだ」
申し訳なさと不安の折り混ざった父の声は大きくないのに、飛んできた矢が胸に刺さるように真っ直ぐ心を射貫いてくる。
「だが、ドラゴンはドラゴン。我々が守らなければならない対象ではなく、シシーにとっての敵に民が脅かされている訳でも、国が攻められている確証がある訳でもない今の状況で、他国や他の領地に調査隊を派遣することは難しい。話を効く限り戦闘の可能性もある」
「っ、」
「せめてノードリッチ内にその場所があれば話は別だが…すまない、シシー」
領主として、シドニア騎士王国に属する貴族として、父は『できない』のだ。
いくら恩があろうと、いくら息子の恩人だろうと、天秤にかけるには重すぎる対価。
その考えも分かる。いつだって父はそう私に言って聞かせるから。
騎士が戦うのは国土を、民を守るため。
貴族が権力を行使するのは命を守るため。
そこにドラゴンは含まれず、ましてやその組織を不用意につついて蛇が出てきては元も子もない。
確証があれば動ける。国を脅かす可能性があると。
証拠があれば動けるのだ。ドラゴンを使って悪事を企んでいると。
ビザンチンの噂ともし紐付けることができたなら軍としても動けるだろう。
ただ、それを『調べる』ことすら誰が敵か分からず、目的も分からない今は危険がありすぎるわけで。
生まれてきてから『かくあれ』と教わってきた自分に、父に反論する言葉は出てこなかった。
気持ちとしては、彼女に協力したい。せめて私1人でも。
そうした気持ちは山々なのに、次期当主がそれを許さない。
暗い予感が自分の中で渦巻いているものの、それはあくまで『予感』であって、さっき父に言ったことだって『一理ある』だけだ。
一つ一つの情報を無理矢理つなげたこじつけだと言われても何も返せない。
(証拠があれば…!)
悔しさはそのまま唇を噛みしめる力に変わり、前歯の隙間から鉄の味がにじみ出る。
言葉を失ったシシーが地図に視線を落とした。
何かを呟いて瞼をぎゅっと閉じ、強ばっている肩から力を抜いて頭を下げる。
さらり。一つにまとまった黒髪が下へ流れ、諦めが滲むシシーの声が応接室に響いた。
「何か情報があれば、お願いします」
「、ああ。もちろんだ。すまないな、直接力になれず」
「いえ」
「過去の犯罪記録を調べてみよう。似た組織があるかもしれない」
「はい」
さっきまではなかった見えない壁がシシーとの間に立った気がした。
光を失って地図を見つめ続ける彼女を慰めたくとも、慰めて良い立ち場ではない。
謝りたくとも、謝ってすむことではない。
約束したのに果たせないのだから。
いっそ『約束したじゃないか』と罵ってくれれば良いのに、彼女は父の言を飲み込み、私を見ないまま立ち上がる。
ズメイに乗っている時には堂々としていた肩が落ち込んで薄くなっていく気がした。
話は終わったと判断した父も立ち上がったのでそれに続く。
母上の部屋へ向かう私たちは外へ、地図を片付けるため、父は応接室へ戻っていった。
気まずい空気が漂う中を歩き出して少し、まだ背後に応接室が見える距離で、ああ、と何かに気づいたような声音が響き、同時に黒い瞳が外からの光を受けて虹色に瞬く。
「あの地図、新しいものか?」
「ああ。最新の地図だ」
「ならもう古くなってる。国境近くを調べ直した方がいい」
「国境を?ここ数十年、変化はないが」
「あるだろ。近くに集落ができてるぞ」
『そんなことも知らないのか』と言いたげな目が私を見ないまま、はっきりとため息を吐いた。
引け目はあるもののわざとらしいそれに片眉が引きつる。
腕を組んで記憶を遡るも、国境近くには森が広がっており、もちろんその国境線は変わっていない。
国境線上に人が住んでいると聞いたこともなければ新しくできたとも聞いていない。
「集落だと?どこにだ」
「どこってビザンチン側に…ああ、他の国のことは調べられないんだったか」
「何!?詳しい場所は分かるか!?」
「分かるけど…」
シシーの手を取り、踵を返して応接室のドアを叩くように開ける。
突然戻ってきた私たちに目を見開いて驚いた父に、地図をもう一度、と言えば何事かを察した男の目が鋭くなった。
置いていた駒を横に避けて、シシーに指を差すよう伝えれば、私の勢いに気圧されてか戸惑いながら国境線をなぞっていく。
「ええっと、山の外側、ビザンチンの森の中の…この辺りだ」
白い指先が示したのは、かつてビザンチンの砦があり、今は建物が崩れて廃墟になっている地点。
ノードリッチ側からはカザンビークの山脈に遮られて見えない場所にあるため、祖父が苦戦していた拠点だった。
その祖父がビザンチン側から流れてきた盗賊の対処をしたため、あちらが責任をとって兵力を引き上げるよう取り決めた場所である。
ちなみにこの盗賊が本物の賊だった試しはなく、あちらからのちょっかいなのは明白だからこそできた交渉だ。
もちろん軍が駐在しているどころか、人が住んでいるはずもない。
「ここに集落があるんだな?どれぐらいの規模だ」
「上を通り過ぎただけだからよく見てない。人は…30人はいたと思う。掘っ立て小屋みたいなのが少しと、馬小屋かな…馬はいないけど似たような造りのものがあった」
それがどうかしたのか?と首を傾げるシシーの情報を整理する。
最新の地図にない隣国の集落、国境線沿いに近い元『砦』の地点、そしてなにより、その情報を『北方の狼』が知らなかったという事実。
理由として十分なはず、と地図を睨む目を父に投げれば、彼もまた静かに頷いた。
「ジーク、分かっているな」
「はい。身軽な者を連れていきます」
「?何、どうした…?」
「シシー、朗報だ」
「?」
「他の国を調べる理由ができた」
まずはビザンチンだ
「調べてください」「良いよー!」
って簡単に終わらせようとしたんですけど、領主の責任は『領民(部下含む)』を守ることでは…?いくら恩があるからって危険なことしちゃいけないんじゃない…?そもそも確証がないのにあっちこっち引っかき回しちゃいけないんじゃない…?って思い直しまして、プロット書き換えました。
直感で『これだ!』って思っても理屈が通らないと動けない時あるよな、悔しいよな、ジーク…
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とても励みにさせていただいています。
不定期更新で申し訳ないですが、
必ず最後まで書き切りますのでどうぞよろしくお願いします。




