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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-14-4 (…え? この曲って…) DOSE.ライブ at ZONE池谷

1-14-4 (…え? この曲って…) DOSE.ライブ at ZONE池谷 耳より近く感じたい



ーー3月末、土曜日、


(片山くんのお兄さんのライブ、どんなバンドなんだろう)


 音波はそう思いながら、待ち合わせ場所の池谷駅西口で梶と佐藤が来るのを待つ。


 片山は駅には来ない。

 ライブハウス前で合流する。


 兄の手伝いでもあるのだろうと、音波は思った。

 ライブのチケットは、当日渡すと片山に言われている。


「音波ー。お待たせ」

 梶がやって来た。

 佐藤も後ろから来る。


「実花。佐藤くん、一緒に来たの?」

「電車に乗ったら梶が乗ってた」

「そうなんだ」


「じゃ、向かいますか、」

 佐藤が先に歩き出す。


「俺、場所知ってるから。

 あと、会場のトイレ少ないから、途中のコンビニか、近くのゲーセンでトイレしといたほうがいいよ」

「うん、分かった」


 17:45、ライブハウスに到着した。


 18:00開場なので、既に長蛇の列が出来ている。

「2バンドで、これだけ集まるって、やっぱり成斗の兄ちゃん達凄いな」

 佐藤は感心している。


「成斗に着いたって連絡する」

 と言い、電話を掛ける。


「俺オレ、今着いた。

 どこら辺に居ればいい?

 うん、◯◯の角まで並んでる


 ああ、ああ、えっ、いいの?

 マジで? ヤッタ!

 18:40くらい? 分かった。

 それまでゲーセンで潰す

 ほーい、ほーい」

プツッ、


 梶が佐藤に訊く。

「片山、何だって?」

「予想より人が多いから、ある程度客が入った後に、俺等を入れるって。

 それと、開演が19:00なんだけど、18:40まで時間潰してって」


「ふーん、だからゲーセンなんだ」

「そうそう…て、円井、なにほうけてんの?」


 音波はライブハウスの看板を見て、…感激しているのである。


(片山くんのお兄さんのバンド、DOSE.(ドース)と一緒にライブするんだ!)


「片山くんのお兄さん、凄いんだね!」

「あ? ああ、そうだけど…」


(今更?)

 と佐藤は思ったが、ツッコミは入れなかった。


「ゲーセン行こう、音波」

「うん」


ーー

 18:40、片山に言われた時間にライブハウス前に戻ってきた。

 先程までの長蛇の列は、ほぼ無くなりかけている。


 入口から、フードを被った片山が出てきた。

「お待たせ。はい、チケット」

 渡されたチケットの裏面には、左下から右上にかけてピンクのマジックで斜線が引かれている。


「何? この線」

 梶が質問する。

「あー、身内用の印」

 片山が答える。

「なるほど」


「じゃ、入るから」

 片山に促され、音波たちはライブハウスに入った。


 通されたのは、一段目でも二段目でもない場所。

 人ひとり通る分の幅しかない。

 だが、高い位置になるので、ステージと観客が見渡せる場所だ。


 音波は片山に質問する。

「片山くんのお兄さん、先にするの? 後にするの?」

「あー、先にる」

「そうなんだ」


「もう一つのバンドは、ココの常連だから」

「ふーん」


 音波は思った。

(あれ? DOSE.って、ライブハウスでやってたっけ?)


「音波、ココ写真撮ってもいいよ」

「うん、撮りたい」


 会場が暗転する。


 DOSE.定番のBGMが…流れる。


(…え? この曲って…)


 BGMが消えた…


 ドラムのカウントが始まる。


 シャーンシャーンシャーンシャーン

 ダーーン!!


 ステージがライトで照らされる。


ワアーッ!


 観客が一斉に赤いハンドタオルを振り回す。

 客の70〜80%は赤いタオルを振っている。


 もう一つのバンド目当てのファンもタオルを買ったのかもしれないが、ここまで赤に染まるのは圧巻だ。


 音波は写真を何枚も撮る。


 1曲目の演奏が終わり、ダイチのMCが入る。


ダイチ

「D O S E ドース です。

 今日、初めて、ここ、ZONE池谷でライブするけど、

 初っ端からタオルで紅く染めてくれて、ありがとう!

 俺たち、既に、泣きそうです!」


ワアーッ!


ダイチ

「今夜は、みんなに、一回分の×××を用意したから、

 みんな、最後まで楽しんでってちょーだい!

 それじゃあ、新しい曲、行くぜー!

 BORDER!」


カンカンカンカン

ジャーン!…


 ボーカル、ダイチを見て、音波は驚く。


(あれ…? お兄さんのバンドの演奏、先だ、って言ったよね?


 でも、今演ってるのはDOSE.だよね、

 ボーカルのダイチってお兄さん?


 ということは…、

 片山くんのお兄さんのバンドって、DOSE.だったの?)


 音波は混乱しつつも、頭を整理する。


 そうだ、この間の配信の内容も説明がつく。

 兄の手伝いで、片山は寝込んだ。


 軽音祭のとき、片山は来ていたけど会えなかった。

 それは、ステージでドラムを叩いていたから。


 サポートメンバーは、ナル。


(ナルは…片山くんだったんだ!)


 音波は隣りにいる片山を見上げる。

 片山は、撮影しながら、真剣な目で真っ直ぐにステージを見ている。


(中学の頃、好きになった曲、

 私を励ましてくれた曲、

 片山くんが作った曲だったんだ…)


 音波は目線をステージに変える。


 このまま片山を見ていたら、涙がでそうだから。


 音波は再び、写真を撮った。



ダイチ

「とうとう、最後の曲になるけど、

 また、次にみんなと会えるの、

 楽しみにしてるから、

 みんな、待っててくれるか?


 これは、俺たちがドースとして、本格始動した曲です。

 みんな、ラストだ、準備はいいか?

 それじゃあ、行くぜ!

 BLUE… 」


カンカンカンカン、ジャジャーン!


ワアーッ!!


 DOSE.(ドース)の、ライブハウスZONE池谷での初ライブは、大成功した。


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有澄 奏 mimichika Project「耳より近く感じたい」小説補完用個人Webサイト  https://uzumi-sou.amebaownd.com/
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