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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-14-3 「”友達のまま”でも、私…」

1-14-3 「”友達のまま”でも、私…」 耳より近く感じたい



--3/15日曜日


 音波は部屋で考える……恋について。


 音波の気持ちは、もう、フワフワしていない。


 音波は、片山のことが……好きだ。


 だから、もっと知ってもっと理解したい。


 片山は、何かを抱えている。


 具合が悪くなった時の状態を見れば分かる。


 片山の行動を近くで見ていて、ぼんやりとは思っていた。


 そして、音波は調べた。


 ネットで検索もしたし、本屋にも通った。


 そして、音波は仮説をたてた。


 片山は、女性に対して何らかのトラウマを植え付けられていて、今もなお苦しんでいるのかもしれない。


 片山が年末に言っていた…、


『いつかきっと、話すから、もう少しだけ 待って』


 あの日から、お互いをもっと知ろうと話したが、色々あって余り話せずじまいである。


 もうすぐ終業式、それが終われば春休みに入り、あとは片山の兄のバンドのライブで会うくらいだ。



(ひとりで考えても駄目だ、人生の先輩に頼ろう、)


 音波は、母親に意見や助言を求める事にした。



「お母さん、ちょっといい? 私の部屋で話したいことがあるんだけど、」

 1階にいる母親に声を掛ける。


「話は長くなりそう?」

 母親は、音波に優しく訊く。


「うん、長くなるかも…、」

「分かった、30分時間を頂戴、用事を終わらせるから。

 それまでに音波も言う事を整理しておきなさい。

 14時半になったら、音波の部屋に行く。

 それでいい?」


「うん、ありがとう お母さん」

 そう言って、音波は2階に戻る。



 リビングに居た音波の父親が、キッチンに行く。

「恋の相談かな?」

「お父さん、茶化さないの!」

「はい、すみませんお母さん、」


 音波の父は、”ある子”を思い浮かべる。


(あの男の子かな?

 音波の事を、ドロドロになって助けてくれた…。

 背中に傷痕があった…)


 父は事前情報は妻には伝えないことにした。


--

 14時半、音波の部屋の戸をノックし、母親が来る。


「どうした? 音波」

「うん…」


 音波は母親とベッドに座って話す。

「話は、恋愛についてなの」

「そう、話して」


「私、好きな男の子がいるの。

 気持ちはフワフワしてない、その子が好き」

「うん」


「その子、トラウマがあるみたいなの」

「…そう」


「女が苦手って言ってたの」

「え…」


「でも、入学式の時から、何回も私を助けてくれたりして、凄く優しいの」

「女性が苦手なのに、音波には優しく接するの?」


「…うん、学校と外で4人で遊んだ時くらいしか、その子の事知れてないから。

 他の女性と接触してるのは、殆んど見たことがないの」

「……、接触って、」

 音波の母親は少し驚く。


「その子の親友が、女子から庇うように、いつも前を歩いてて、」

「そう、親友がいるんだ」


「うん、私、年末にその子に言ったの、もっと知りたいって。

 そしたら、


 『いつかきっと、話すから、もう少しだけ待って』


 て、言われたの」

「……、そう」


「私、助けになりたい、どんな話を聞かされても、受けとめる。

 たとえ、その子が私の事を、”友達”として見てるだけでも、力になりたい。

 ”友達のまま”でも、私支えたい」

「音波……、」


 母親は、音波を抱きしめる。


「辛いね、音波。

 音波が自分の気持ちを、そこまで掴めてるのなら、大丈夫。

 この恋がどんなふうに進んでも、母さんたちが励ましてあげる」

「お母さん、ありがとう」


 母親は音波に尋ねる。

「音波、その子は【女性恐怖症】なの? 音波には触れるの?」

「うん、少し私には触れる。体育祭の時に、手を握って一緒に走った事ある」


「そう…、母さん今度、時間がある時に先生に訊いてみるから、

 音波は焦らずに、その子が話をしてくれるまで、待っててあげなさい」

「うん、分かった、ありがとうお母さん」


「その子が”いつか話すから、待って” と言ったという事は、自身の問題や家庭の問題も出てくるかもしれないからね。


 相当な覚悟で相手も話すと思うから、その時が来たら、音波も最後まで覚悟して聞いてあげなさい」

「はい、お母さん」

「うん」

 音波の母親は、優しい顔で訊く。


「音波、今日の事、お父さんには話していい?」

「え、うん、お父さんは、その子に会ってるから///」

「そう、分かった」



 人に話をすると、自分の考えや思考が整理される。


 音波は、母親に話して良かったと思った。



--

 夜、音波の両親は話す。


「音波も恋をしたか、」

「ええ」


「俺が会った事ある子かな? ほら、音波を学校まで迎えに行った日があっただろう?」

「どうだろう? お父さんと会った事あるって言ってた。

 トラウマがある子だって」


「トラウマか、アレ(背中の傷痕)もトラウマと言えば、トラウマかな?」

「音波も、地震の時の恐怖症をもってるしね」


「みんな、何かしら1個や2個は抱えてるものだ」

「そうね…【女性恐怖症】らしいよ、音波が好きな子」


 音波の父親は、ドロドロな姿だった片山を思い出しながら言う。


「同じ恐怖症でも、そっちか…。

 一回、家に呼ぶとか、外ででもいいから会ってみた方がいいかもしれないな」

「ええ、いいわね」

 母親は頷く。


 音波の父親は、ふと考える。


(樹には、その子とはまだ会わせない方がいいな、話をするのもやめておこう…

 音波の恋が実るかどうかは、まだ先の話だからな…)


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有澄 奏 mimichika Project「耳より近く感じたい」小説補完用個人Webサイト  https://uzumi-sou.amebaownd.com/
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