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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-11-2 色んな形の恋

1-11-2 色んな形の恋 耳より近く感じたい


ーー放課後

 片山と佐藤は軽音楽部の部室に向かう。

 約1ヶ月ぶりに片山は顔を出す。


 兄の大学等で連日ドラムを叩いてはいたが、やはり佐藤と合わせるほうがいい。


 3年生は学園祭が終わると引退し、受験一本になる。

 息抜きがてら、たまに顔を出す先輩もいる。


 部室のドアを開けると、引退した3年の元部長が遊びにきていた。

 片山が最後に会ったのは、音波の居場所を聞くために、宇野のいる3年2組の教室に行った時だ。


「お、片山、佐藤、久しぶり」

 元部長が声をかける。

「あれ、息抜きですか?」

 佐藤が尋ねる。

「まあ、そんなとこ」


 片山は、少し気不味きまずい。


 それを察したかどうかは不明だが、元部長が片山に言う。

「片山、ちょっと場所変えて話そうや」

 片山は軽く頷き、後について行く。


 部室を出て先の、裏手にある古いベンチまで歩く。

「まあ座れや」

 元部長に言われ、片山も座る。


「…片山、悪かったな」

 元部長の一言目が謝罪なのに驚いた。

「え…?」


「俺がクラスまでお前を呼んでなかったら、宇野がお前と会わないまま何の接点も無く、事が起きずに済んでたかもしれん。

 悪かった」

「…」


 片山は、下を向く。

 学園祭の日の事を思い出し、服で隠れた部分に鳥肌が立つ。


「宇野のこと、許してやってくれとは言わない。

 ただ卒業前に、当人に謝るために会わせるのは了承してくれないか」

「…、」


「片山があんなに感情丸出しで想うくらいだから、宇野とまた会わせるのは嫌かもって思って、お前に確認取りに来た」


 片山は下を向いたまま、元部長に質問する。

「…何で部長が、動くんですか?」


「うーん、それは惚れた弱みってやつよ」

「は?」

 驚いた片山は、顔を上げて元部長を見る。


「俺がやめとけって言ったヤツばっか好きになって、フラレて、そのたびに俺に泣きついてきて…。

 こっちは3年間同じクラスで、ずーっと好きなのによw」

「…」


「お前にどんなフラれ方したか知らねーけど、流石に今回はやり過ぎで反省してる。

 謝って立ち直れるなら、そうさせてやりたい。

 俺はとことん宇野に付き合う」

「…」


「下手くそな恋しか出来ない奴もいれば、片恋上等ってヤツもいるってこと。

 片山、お前は成就させろよ」

「…部長、」


 元部長は片山の肩をポンと叩く。

「テスト明けでいいから、彼女さんに聞いといてくれ。

 じゃあ行くわ。

 佐藤にも宜しく言っといて」

 言い終わると、元部長は部室に寄らず行ってしまった。


「……」

 片山はベンチに座ったまま、上着のポケットに手を突っ込み空を見る。


「色んな形の恋…か」


(テスト前に音波に伝えるのはやめよう…)


 片山はポケットから取り出したスマホにメモをし、アラームをかけた。



 部室に戻ると、佐藤が奥の部屋で2年の先輩と演奏していた。

 片山も奥の部屋に入る。


 2年の部長に声を掛けられる。

「おお片山、やっと来たか。

 お前1ヶ月も来なかったから、どうしてるのかと思ってたよ。

 腕、なまってないか?」


「あー、落ちてはいないかな」

 と、片山は答えた。


(…むしろ、鍛えられたな)


 片山は久し振りに、佐藤と一緒に演奏した。


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