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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-1-3 「俺も頑張ろ」

1-1-3 「俺も頑張ろ」 耳より近く感じたい


 講堂での集会が終わり、1年3組の教室に移動した音波(オトハ)

 黒板には、最初は好きな席に座るようにと書かれている。

 音波は背中を壁にあてられる席を探す。

 廊下側の席が運良く空いているようだ。

 音波は急いで席につく。


(そうだ、講堂で親切にしてくれたあのメガネ男子は居ないのかな?)


 さり気なく教室全体を見てみる。

 横に6席、縦に6席、合計36人。

 既に全ての席に着席している。


 あのメガネ男子の姿は…いた!

 音波とは逆の運動場側の席に座っている。


 ーー『アンタも3組?』ーー

(今話してる相手って、さっき後ろで会話してた人かな?)



 音波を囲む席、前と後ろと横。

 横は男子だからとりあえず除外する。


 音波は考える。

(先にドッチに声かけようか…)


「ねえ君、カワイイね。苗字何ていうの?」


(ん?)


 音波の顔が右を向く。

 話しかけてきたのは、前の席の女子だ。


 音波は答える。

円井マルイだよ、円井音波」

「アタシは(かじ)だよ。

 梶 実花(みか)、仲良くしよ!」


 二人は見つめ合い沈黙…。

 そして二人揃って爆笑する。


 梶が先に話し出す。

「丸いのに痩せてるって詐欺じゃんw」


「そういう梶さんだってナンパ台詞で可笑しいw」


 梶が言う。

「実花でいいよ。

 アタシ多分クセあると思うからさ、気分害したらちゃんと言ってね」


 梶 実花、ポニーテールをしているせいか、目元が少しだけキツい印象だ。

 だが、直ぐに音波に声をかけてきたので、好奇心旺盛なのかもしれない。


(あぁ、人懐っこそうな人だな、実花は。

 声をかけられたときは少しドキッとしたけど、見かけで判断してはいけないっていうのは、本当だぁ)


 音波も梶に応える。

「私も独特な趣味もってるから、付き合えない時は言ってね」


 音波は思った。


(そうだ、少しづつ打ち解けて行けばいいんだよね…)


--

 帰りの電車に揺られながら、音波はスマホを取り出し文字を打つ…。


Nami☆DOSE.ファン

「登校初日に友達ができたかも!

 (≧▽≦)」


音楽専用アカウントに投稿する。


ピコン、ピコン、ピコン


 ハートが数個ついた。

 何処の誰かも知らない人が反応してくれる。

 ちょっと照れくさい。


 音波がスマホをしまおうとしたとき、

ピロロンと鳴った。


【Sei が Nami に返信しました】

Sei☆Dose.N

「よかったね」


 音波の頬が紅くなる。

「返信きたぁー!」


ーー

 信号待ちをしている男子二人。

 一人が話しかける。


「さっき、回避できなかったって言ってたっしょ。

 で、どうなったの?」


 聞かれた方は、スマホを操作しながら答える。


「…、相手が転けそうになって、咄嗟に手が出て…受けとめた。

 大丈夫だった」


「そうか、そりゃ良かった」

「…、うん」


ピコン

【Nami が Sei の返信に反応しました】


 返信コメントにハートがついたのを確認し、スマホを上着のポケットに押し込む。


 信号が青に変わった。


 ポツリと呟く。

「…、俺も頑張ろ」


 首下まで伸びた髪を風に泳がせながら、駅に向かって歩き出す…。


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有澄 奏 mimichika Project「耳より近く感じたい」小説補完用個人Webサイト  https://uzumi-sou.amebaownd.com/
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