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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-9-3 その手をキュッと

1-9-3 その手をキュッと 耳より近く感じたい


 佐藤が立てた計画で久しぶりに集まった4人。


 昼を摂り、店を回る。


 佐藤は男と一緒だろうが女と一緒だろうがどの店にも入れるが、片山はそうではない。

 女性客が多い店では、「俺はいいから」と言って入らない。


 音波は以前、片山が『俺は女…苦手』と言っていたのを覚えていたので、違う店に片山を誘う。


「片山くん、メンズショップ行こう」

「え、何で?」

「お父さんのっ、靴下がクタクタだから…見たい」

「…靴下?」

「そう、お父さんの誕生日近いから、片山くんに選んでもらおうかなって…」

「ああ…わかった」


「実花、ちょっと行って来るね」

「うん、うちらこの店みたら休んどくね」

「行こう、片山くん」


 音波は片山の上着の端を摘んで先に行く。


 音波はドキドキしながら思う。

(お父さんの誕生日本当は過ぎてるけど…今の誘い方、私変じゃなかったよね?)



 音波は片山と靴下を見る。

 普段用、仕事用、手に取りながら話す。

 ついこの間、片山は学校で音波の父親に会っている。


「音波、コレとか…どう?」

「うん、いいね!コレにする」


 選んでいる間もコロコロと変わる音波の表情につられて、片山も無意識に笑顔になる。


「わあ、見て見てあのカップル」

「凄いイケメン」

「彼女も可愛いよね」

「お似合いだね」

「ねー、羨ましい」


 傍から見たら、お似合いのカップルに見えるのだろう。


 ベンチで休憩しながら梶が佐藤に訊く。

「ねえ佐藤、アタシら、この計画やってよかったんだよね」

「良かったと思うよ。

 まあ、成斗にはバレてたけどな」

「バレてたんだ」


 2人を…片山を見て、佐藤は嬉しそうに言う。

「見てみろよ、成斗のやつ。

 すっげー穏やかな顔してる。

 精神が落ち着いてるっつーか。

 女と一緒に居て、あんな成斗見るの、俺初めてかもしれない」

「そうなんだ」


 音波のコロコロと変わる顔を、素の笑顔で見ている片山は、佐藤の言うように、とても自然体だった。


「…やっぱり、円井だからなんだと思う」

「うん。音波は片山のこと、どう思ってんのかな…。

 前に聞いた時は"好きだよ? 友達だもん"て言ってた」


 佐藤は天を仰ぐ。

「それなー、やっぱ円井次第か…」



 二人で話し込んでいると、音波が駆け寄ってきた。

「ねえ、観覧車乗らない?

 今の時間から行ったら、丁度景色が綺麗だと思うんだよね」


「おっ、いいね!」

 佐藤がベンチから立ち上がる。

「行こ行こ」

 梶も立ち上がる。


「片山くん、行こう」

 音波は、今度は片山に右手を差し出す。


「…うん」

 片山の左手が音波の手を取ろうとして、止まる。


 音波はその手をキュッと握って先に歩き出す。


 その後ろを、佐藤と梶が続く。


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