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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-9-1 「協力してくれ、」

1-9-1 「協力してくれ、」 耳より近く感じたい


ーー閉じ込め事件から一週間。


 下校途中、佐藤が梶に話しかける。

「なあ梶、今年のクリスマスイブは一緒に過ごさない?

 ちゃんとしたデートっていうか」


 いつもはおちゃらけている佐藤が、照れながら言うものだから、梶も伝染してしまう。


「へ?で、デート?うん、しよ!」

「何処か行きたいとことか、あるか?」

「テーマパークとか?」

「いいね、決まり」

「うん、楽しみだね」

 梶は嬉しそうに言う。


「それと別に…、26日とか予定ある?」

「え…」

 2日後も?と思い佐藤を見る。


 だが、今度の佐藤は真剣な顔になっている。


「どうしたの? 佐藤」

「…26日に成斗を連れ出すつもり。

 で、梶には円井を誘ってほしい」

「なんで? キューピット的なことするつもり?」


「違う。成斗、学園祭以降ちょっと不安定で、そんでこの前の閉じ込め事件だろ。

 円井とも距離とってるように見えるし。


 あいつとはガキの頃から一緒だから、このままだと駄目な気がする。

 更に悪化する前に、なんとかしてやりたい」


 こと片山の事となると、なぜ必死になるのか。


 梶は不安になった。

 佐藤は片山のことを心配しているが、梶も音波のことを心配している。


「音波もさ、なんか空元気っていうか」

 梶は思い切って佐藤に聞いてみる。


「片山、爆弾か何かもってるの?

 小さい頃から一緒だからって、いくらなんでも、ちょっと過保護過ぎない?」


「…」

 佐藤は黙ってしまった。

「ねえ、何があったの?」


「…、お前でも、詳しくは話せない。


 あいつ、彼女とかいらない、作らないって言ってるけど…。

 女に興味ない訳じゃないんだ。


 中学の時にちょっとあって、恋愛とかそういうのを怖がっててさ。

 誰も好きにならないようにしてる。


 でも成斗のやつ、円井に対しては違うんだ。

 こう、なんていうのかな、他の女子と接し方が違うっていうか。

 何でか判らないけど、円井だけは大切にしてるって感じがする」


「それって、片山が音波のことを好きになってるってこと?」


「ああ、多分。

 自覚してて、否定して、敢えて一定の距離から近付かないようにしてるなら、辛すぎる…」


 佐藤は立ち止まり、梶の方を向く。

「俺はもしかしたら円井なら、成斗を救えるかもしれないと思ってる」


 佐藤は梶の肩に手を掛け、梶を抱きよせる。

「なあ梶、俺たちこうやっていつでもくっつき合えるじゃん。


 それが、突然出来なくなったらどうする?

 この先ずっと出来なくなったら、どうよ?


 成斗は辛い思いをして、今も引きずってる。

 ここまでしか話せない」


 佐藤は梶を真っ直ぐ見つめる。

「梶、協力してくれ、頼む」


「…音波は苦しむ?」

「成斗と、…円井次第」


「…分かった」


ーー翌日、教室

 梶は音波に、話をする。


「音波は、クリスマスとか年末年始どうするの?初詣とか行く?」

「クリスマスは家で家族と過ごすかな。

 初詣は聞いてない。

 いつもお父さんが行くって言った時に行ってるかな」

「音波のお父さん、そんな感じだよね」


「実花は今年は佐藤くんと過ごすの?クリスマス」

「うん、佐藤のほうから誘ってくれたから///」

「そう、良かったね」

 音波は、梶の照れてる姿を見て、自分も嬉しくなった。


「あ、それでね、26日って空いてる?」

「うん、空いてるよ?」

「買い物に付き合ってよ」

「うん、いいよ。なに買うの?服?」

「え、ええっと、まだ決めてない。

 とにかく26日は絶対ね!」

「うん。?」


(急に焦りだして、実花どうしたんだろう?)


 少し違和感を覚えたが、梶と買い物に行くのは久しぶりなので、音波も冬休みの楽しみが出来て嬉しかった。



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有澄 奏 mimichika Project「耳より近く感じたい」小説補完用個人Webサイト  https://uzumi-sou.amebaownd.com/
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