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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-8-3 「やっと笑った」

1-8-3 「やっと笑った」 保健室1 耳より近く感じたい


__久しぶりに、あの夢を見た__

__でも、ちょっと違う気がする__

__暗闇に光が射して現れたのは……

(……片山くん?)



 音波はまぶたを開ける。

(誰か私の手を握ってる)


 ボーッとした意識が戻ってくる。

「片山くん?」

「音波!良かった、」

 片山の顔が安堵に満ち、手を離す。


「円井、大丈夫か?」

「音波、心配したよ」

 佐藤と梶も居る。

「えっと、私何で寝てるの?」

「…気を失ったんだよ」


(ああ、思い出した、私閉じ込められたんだっけ…)


「窓もない中、真っ暗で怖かっただろ?

 ごめん、音波、俺のせいで」


 普段は感情があまり顔に出ない片山が、とても辛そうな表情になっている。


「うん、もう平気だよ。落ち着いてるから」

 そう言って、音波は起き上がる。


(あれ、ボタンが外れてる、それにネクタイ…)


 音波が首元を触っているのに気づき、片山が説明をする。

「ネクタイとボタンは、楽になるように保健の先生が外した」


「それにしても、自分が相手にされないからって、音波にこんなことするなんて最低!」

 梶が無茶苦茶怒っている。

「あそこはみんな行かないからな」

 佐藤も呆れ顔で言う。

「血相変えて出ていった成斗から電話もらって、状況聞いたときはビックリしたもんよ」


 改めて片山を見ると、全身が濡れた後だろうか?

 髪の毛は湿って、いつもハネている後ろの髪の毛は、いつもより寝ている。

 上着のブレザーは着ていない。

 雨で濡れたからだろうか?

 白いシャツの袖は薄く汚れている。

 スボンの裾に付着した泥が乾きかけている。


「片山くん、」

「…何?」

「もしかして、急いで来てくれたの?」

「当たり前だろ」

 至極真面目な顔で言われたので、音波はドキリとした。


「ああそうだ、担任に知らせないと。オレ職員室行ってくるわ」

 佐藤が保健室を出ていく。

「担任がね、音波の親に連絡入れたから。

 音波のバッグはソコに持ってきてるから、ここで待ってたらいいよ、暖かいし」

「うん、ありがとう実花」


 佐藤が担任と一緒に戻ってくる。

「円井、災難だったな。お父さんが来るそうだから、それまで暖かくしてろ」

「先生、分かりました」


ピロロン♪

 音波のバッグから音が鳴った。

「何だろ?」

 スマホを取り出しチェックする。

「あ、お父さんからだ」


お父さん

「音波へ

 あと30分くらいで学校に着く

 そのまま保健室にいるように

 お友達に挨拶したいので

 出来れば残るように伝えてくれ」


「30分で着くって。

 あと、お父さんが挨拶したいって言ってるんだけど、時間大丈夫?」

 音波は、みんなの顔を見る。


「…お前の親にきちんと謝りたいから残る」

「でも片山くん、今日バイトあるんじゃないの?」

「休むって連絡した。

 俺のことはいいから」

 片山はそう言うと、音波の頭をクシャクシャと撫でた。


「アタシも残る。音波のお父さん見てみたい」

「じゃ、俺も残る。梶と帰りたいし」

「は?何いってんの?帰るけどっ///」

アハハハ…


「フッ…やっと笑った」

「え?」

「あー、別に///」

 ふいっと、顔をらした片山だが、

 自分を見る片山の笑顔を、音波は見逃さなかった。


ーー30分後、音波の父親が到着した。


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有澄 奏 mimichika Project「耳より近く感じたい」小説補完用個人Webサイト  https://uzumi-sou.amebaownd.com/
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