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「耳より近く感じたい1~3」 ~ボクの命がたとえ繋がってたとしても、キミと出逢う為に生かされたと信じる~  作者: 有澄 奏
season1 ~孤独の闇の中ボクは怯えて震えてた、キミに出逢ってからボクは変わり始めた~
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1-5-2 「手ぇ振って」

1-5-2 「手ぇ振って」 耳より近く感じたい


ーー本日は お越し頂き 有り難うございました。

お帰りの際は、係の指示に従って、順番に退場下さいますようお願い申し上げます。

繰り返します、お帰りの際はーー


 1階席後方から順番に、ゆっくりと人が場外へ流れていく。

 音波たちは2階からそれを見下ろしながら、順番を待っている。


 梶が椅子に座り伸びをする。

「色んなバンドがあるんだね。

 疲れたけど楽しかった」

 音波は、双眼鏡をバッグにしまいながら言う。

「結構立ちっぱなしで疲れたね」


「音波が好きなバンド、凄かったね。演奏中赤だらけだったじゃん」

「ね。私もこんなに人気があるとは思わなかったな」

「そーいや佐藤から連絡ないね」

「うん」

「連絡入れてみよ…あ、来た」


佐藤

「終わった

 先輩が帰っていいって言ったから 合流する

 メシ食って帰んない?

 かじたち今どこにいるの?」


 梶が音波にスマホの画面を見せて言う。

「ご飯食べようってさ」

 梶はスマホに文字を打つ。


「お疲れ。

 今ねーまだ2階にいるよ

 どこかに移動したほうがいい?

 動かないほうがいい?」


 佐藤から秒で返事が届く。


佐藤

「2階にいく」


 梶がまた音波にスマホを見せて言う。

「佐藤コッチに来るって言ってるから、座って待ってようよ」

 音波は、ステージで片付けをしているスタッフを見ながら椅子に座る。


 数人の人がドラムセットをバラしていく。

 その数人をボンヤリ眺めながら、音波は梶に聞いた。

「ねえ実花、全然会ったこともないけど知ってる人と、もし連絡とって、今、会えるとしたらどうする?」


 梶はキョトンとした顔で言う。

「ナニそれ?あ、もしかしてSNS絡み?

 うーん、絶対ってことはないけど、相手が男なら会わないほうがいいとアタシは思う。

 結構怖いじゃん、ネカマとか、色々」

「そうだよね、怖いよね」


 音波は、言葉では梶の意見に同意したが、本当は会って、直接お礼を言いたいと思っているのだ。

 だが、Seiと名乗る人物が男なのか女なのか、どんな顔なのかも分からないので、今回は探す…連絡をとるのを諦めた。


 暫く待っていると、佐藤がやって来た。

 音波は、佐藤に会うのは終業式の日ぶりだ。

「佐藤くん、久しぶりだよね。少し日焼けした?」


 梶が茶化す。

「男前アップか!」

「アップした?」

 佐藤は嬉しそうに笑った。


 音波は佐藤に聞いてみる。

「片山くんは?一緒じゃないの?」

 佐藤がシブい顔になる。

「ええっと、成斗は来ない」


 梶が言う。

「えー、何で?来るって言ってたんだよね?音波」

 音波は、頷く。

「前に聞いたときは、行くけど一緒には無理って言ってたよ」


 佐藤が困った顔をして言う。

「いや、来てるんだけどさ、片付けとか打ち上げとか抜けれない用事っていうかなんていうか、とにかく今日はもう俺らとは合流しない」


「なーんだ、用事なら仕方ないね。 

 じゃあ、3人で行こう」

 梶はそう言うと、椅子から立ち上がり歩きだす。

 音波も続く。


 佐藤が音波を見る。

「円井、ちょっとコッチ来て」

 音波は、佐藤に近づく。

「何?」


「コッから手ぇ振ってみろよ、ドース!」

 佐藤はステージに向かって大袈裟に手を振り叫ぶ。

 すると、ステージに登っているスタッフの何人かと、ドラムセットをバラしていた数人が振り向く。


「ほら、円井も手ぇ振って」

 音波は、言われるままに手を振る。

(ドースのメンバーがいるのかな?)


 長髪を後ろで束ねた男の人が、ドラムセットの近くの一人に寄って、何やら話している。

 隣の人と手を繋いで、手を振って返す。


「じゃ、行こうぜ」

 そう言って、佐藤は梶のほうに歩いていく。

 音波は、佐藤が気を使ってくれたのだろうと思った。



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