2-15-5 合わない予定
2-15-5 合わない予定 耳より近く感じたい2
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ファミレスに向かう途中、音波たちは軽音祭の事を話す。
高校の先輩たちの演奏や、コミカルなバンドの話、どのバンドがどうだった等、話は尽きない。
そうこう話しているうちに、ファミレスに到着した。
4人は席に着き、話をしながら各々メニューを注文する。
音波は片山に訊く。
「片山くん、先輩たちが演奏してる時は何処にいたの?」
「あー、ドラムセットの後ろに居た」
「そっか」
梶は啓太の方を見て言う。
「啓太は右端の方に居たね」
「あ、そう? 見えた?」
「うん、見えた。ね、音波」
「うん、見えたよ」
「先輩のピッキングは強いのよ。
本番で弦が切れやしないかヒヤヒヤしながら見てたから、前に出ちゃってたのかな」
「ふふっ、そうなんだ」
店員が料理を運んでくる。
音波と梶はハンバーグセット、佐藤はミックスフライセット、片山は唐揚げセット。
佐藤が片山に尋ねる。
「あれ、成斗、サンドイッチじゃなくていいの?」
片山は言う。
「うん、唐揚げは大丈夫、鶏肉好きだし」
音波は思う。
(鶏肉が好き…いつか私の料理を色々食べて欲しいな、)
音波は頭の中で、ダイニングテーブルを挿み、一緒に夕食を食べる光景を想像する。
そして、顔を赤くする。
「///、」
向いに座る梶が音波に言う。
「どうしたの? 音波、顔が赤いよ?」
音波は慌てて言う。
「な何でもないっ、ハンバーグが熱かっただけ」
「大丈夫?」
音波の隣に座る片山は、音波の空想など知るすべもないので、普通に心配する。
「うん、大丈夫」
音波はそう言って、水を飲んだ。
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音波たちは食事を終え、ファミレスを出て駅に着く。
改札口で別れる。
「俺と実花はこっちのホームだから、成斗、円井、またな」
「音波、片山、また2学期ね」
「うん、佐藤くん、実花、またね」
「ああ、」
佐藤と梶は、階段を上がっていく。
片山が音波に言う。
「音波の電車が来るまで話そう」
「うん」
音波と片山は階段を上がり、ホーム内のベンチに座る。
「音波、俺の誕生日に写真展に行っただろ?」
「うん」
「あれのおかげで、知り合いを助けられた。
もし音波が別のところを選択してたら、助けられなかった。
音波が選んでくれて助かった、ありがとう音波」
「え、そうなの?」
「うん」
「音波は俺の大事な人を、何かしらの形で助けてくれる。
俺も音波の大事な人を、いつか助けられるようになりたい」
「片山くん、」
音波は前を向く片山の横顔を見る。
「ふふっ、ありがとう、その言葉だけで嬉しいよ」
片山はスマホのカレンダーを見ながら、音波に訊く。
「音波、夏休みもあと一週間だけど…、音波の予定はどうなってるの?」
「え? 月、水、金ってバイトが入ってる」
片山は少し残念そうに言う。
「あー、…そう、」
それを見て、音波は訊く。
「片山くん、どうかした?」
片山のカレンダー、バイトと病院以外で何とか時間が空いているのは…月曜日と金曜日。
音波の予定とずれている。
近場でもいいから何処か、音波と一緒に_と思っていた片山は…諦める。
「何でもない、音波、そろそろ電車が来る」
「うん」
二人はベンチから立ち上がり、白線前まで移動する。
音波の乗る電車がホームに入ってくる。
音波は電車に乗る。
「音波、家に着いたら何か打って」
「うん、わかった」
片山は右手をヒラヒラさせる。
電車が発車する。
空いている席に音波は座る。
(…あ、そうだ、)
スマホをバッグから出して、音楽専用アカウントを開く。
一眼レフカメラとは別に、スマホで撮っていた写真の中から一枚選び、画像を投稿する。
Nami☆DOSE.ファン
「大学合同軽音祭
Songs/BLUE by DOSE.
__画像__ 」
ピコン、ピコン、ピコン
ハートが数個ついた。
ピコン
【Sei が Nami の投稿に反応しました】
ピロロンと鳴った。
【Sei が Nami の投稿を紹介しました】
Sei☆Dose.N
「WAVE 凄いね」
↓
Nami☆DOSE.ファン
「大学合同軽音祭
Songs/BLUE by DOSE.
__画像__ 」
Seiの投稿が表示される。
Sei☆DOSE.N
「大学合同軽音祭
後ろから DOSE.
__画像__ 」
Seiの投稿画像は、後ろからのDOSE.の演奏風景。
ダイチがギターを弾いている後姿だった。
「うわぁ、こんな写真、運営スタッフじゃないと撮れない。
Seiさんって、大学生なのかな?」
音波はSeiの投稿にハートを押した。
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電車を待つ片山のスマホが通知音を鳴らす。
ピコン
【Nami が Sei の投稿に反応しました】
続けてピロロンと鳴る。
【Nami が Sei の投稿を紹介しました】
Nami☆DOSE.ファン
「カッコいい」
↓
Sei☆DOSE.N
「大学合同軽音祭
後ろから DOSE.
__画像__ 」
片山はホッとして、ボソッと言う。
「Namiさん、今年も軽音祭に来てたんだ、
元気みたいで、…良かった」
片山はスマホをウエストポーチに仕舞い、来た電車に乗り込んだ。




