2-15-4 「今日撮った分も」
2-15-4 「今日撮った分も」 耳より近く感じたい2
--控室
トントン、ガチャリ、
佐藤はノックをした後ドアを開ける。
「お疲れ様です、修さん大智さん、円井達連れて来た」
佐藤の後ろから、音波と梶も控室に入る。
音波は、やや緊張しながら言う。
「お邪魔します//」
「あれ、オトハちゃんだ。 今年も来てくれたんだ」
修が気付き、音波たちのところへ来て言う。
「ほら慎司、樹さんの妹さんのオトハちゃん。
写真を提供してくれた子」
慎司も寄ってくる。
「へえ、君が…、ステキな写真を撮ってくれて有難う…」
「い、いえ、とんでもないです//」
音波は恐縮する。
佐藤は梶に言う。
「実花、SHUROEのメンバーと写真撮って貰おうぜ」
「うんうん、お願いして」
佐藤と梶は移動する。
音波は控室の中を見て訊く。
「大智さんは?」
修が言う。
「ああ、大智は床でぶっ倒れてる。
あいつ、初めてライブでギター弾いたから、今頃キてるんだよ。
情けない姿、見てやってよ」
音波は修に連れられ、大智の所へ行く。
「大智さん、大丈夫ですか?」
音波に声を掛けられて、大智は上半身を起こす。
「あ、音波ちゃん、参ったよ…池谷の時より疲れたぁっ、」
そう言って、大智はハァっと息を吐く。
「ふふっ、でも素敵でしたよ、今日のBLUE」
「本当? 良かったぁ~」
慎司が言う。
「オトハちゃん、写真を撮って貰えるかな…
あと、今日撮った分も又提供してくれると嬉しい…」
「えっ、は、はい」
音波はカメラを用意する。
「ほら、大智立って、栄太郎も」
「へいへい」
大智の近くで座り込んでいる栄太郎が立ち上がる。
「それじゃあ、撮りますよ」
音波はDOSE.の集合写真を何枚も撮る。
修が言う。
「オトハちゃんも一緒に撮ろう。
おい啓太、こっちに来て写真撮ってくれ」
「了解、今行きます」
佐藤が梶と戻ってくると、SHUROEのメンバーもやって来た。
SHUROEのボーカル、リョウが言う。
「俺等も混ぜて」
大智は直ぐに笑顔で応える。
「いいよ、みんなで撮ろう!」
音波は言う。
「じゃあ先に皆さんを撮りますね」
カメラを構えて左奥から栄太郎、慎司、SHUROEのギター、ドラムが、
手前の左から修、大智、SHUROEのリョウ、ベースが並ぶ。
音波はこの2バンド一緒の記念撮影を嬉しく思い、何度もシャッターボタンを押した。
撮影中、リョウは小声で大智に言う。
「お前んとこのサポートのお陰でいい演奏が出来た」
「え? ナル? なんか分かんないけど、祭りが楽しかったなら、それでいいよ」
「さっきは悪かった、お詫びに今度飲みに行こう、奢るから」
「え、俺まだ飲めない、じゃあ俺が二十歳になったら酒おごってよ」
「いいよ、浴びる程飲ませてやるw」
「喉が焼けるまでは飲まないw」
音波は写真を撮りながら思う。
(みんな、いい笑顔だな…遠くじゃなくて、近くで撮るの、空気が伝わって良いな…)
カメラを佐藤に渡し、今度は音波も一緒に撮る。
数枚撮って、佐藤は音波にカメラを返す。
音波は佐藤に訊く。
「片山くんは?」
「ああ、多分ステージでドラムばらしてると思う」
「そうなんだ」
「それじゃあ、俺たちも着替えて片付けの手伝いに入るぞ」
慎司の掛け声に、メンバーが動き出す。
「じゃあ俺たち、出ます」
佐藤の言葉で、音波たちは控室を出る。
「お疲れ様でした」
「俺、地毛だから先にナルんとこ行って代わるわ。
早く帰してやんねえとな」
修はそう言うと、さっさと着替えて控室を後にする。
栄太郎も着替え終わり、頭はそのままで言う。
「もう頭はいいや、帰ってゆっくり取ることにする。
先に行ってるぞ」
栄太郎も控室を出ていく。
このタイミングで慎司が大智に言う。
「大智、打ち上げが終わった後、話がある」
「あ? ああ、分かった」
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音波たちは控室を出た後、通路にあるベンチに座る。
梶が言う。
「なんかさ、SHUROEってバンド、カッコいいよね」
それを聞いて佐藤は、立ったままスマホを操作しながら梶に訊く。
「なに、それって曲がカッコいいの? 顔がかっこいいの? どっちだよ」
「ん? もちろん 顔」
「何だよソレ、彼氏を目の前にして顔ってw
円井、成斗もうすぐ来るって」
音波は頷いて言う。
「うん、わかった」
少しして、眼鏡を掛けた片山が通路の向こう側から歩いて来る。
「ゴメン、遅くなって」
音波はベンチから立ち上がって言う。
「お疲れ様、今日は眼鏡なんだね」
「あー、うん、朝からバタバタで、そのまま着けずに出ちゃって」
「そうなんだ」
「うん」
佐藤が言う。
「それじゃあ、飯食いに行きますか」
「行こ行こ、アタシお腹ペコペコ」
音波と片山も頷き、4人は会場を後にする。




