7(最終話) 最下層到着、そして俺は挑み続ける
「とうとうここまで来たな」
俺は息を大きく吐き出す。
ここは三十五階層。
この『氷結都市のダンジョン』の最下層である。
当然、ラスボスこと『フロアボス』がどこかにいるはずだ。
「アリシア、妙な気配を感じたらすぐに知らせてくれ」
「了解です」
ぴょこん、と狐耳を跳ねさせるアリシア。
「他のみんなも少しでも異常を感じたら、すぐに合図を」
俺はパーティ全員に告げる。
「分かってるさ、大将」
グラントが笑った。
「大将……ですか?」
「はは、もうとっくにお前がこのパーティのリーダーだよ。俺じゃなく、な」
ニヤリと笑みを深めるグラント。
「そうそう。あなたに従うわよ」
「だね」
と、カチュアとマーヤがうなずく。
「そういうことじゃ」
ギラールが重々しく言った。
「――います」
アリシアが和気あいあいとした空気を破った。
「よし、サクッと片付けるか」
俺は進み出た。
「あたしが動きを感知します……っ!」
すかさず叫ぶアリシア。
獣人の鋭い感覚器官が、ラスボスの動きを捉えたんだろう。
「ゼノさん、右斜め四十五度です!」
「了解だ!」
彼女の指示に従い、俺が魔法弾のアイテムを連発した。
ぐおおおおおおおおおおんっ。
うなるような声とともに、前方で巨大なシルエットが揺らめいた。
俺は魔剣を抜いて構える。
「こいつを倒してダンジョンクリアだ――!」
走り出す、俺。
相手がどんな強敵だろうと、どんな難関ダンジョンだろうと。
こうして仲間たちと挑んでいくだけだ。
【アイテム交換所】があれば、そして仲間たちがいれば――俺はもっと強くなれる。
その力で、これからもダンジョンに挑み続けるんだ――。
【終わり】
いったん完結とさせていただきます。俺たちの戦いはこれからだ!
書籍版の方で続刊などの動きが出た場合は、しれっと続きを書くかも……とはいえ、いったん一区切りということで!
ここまで読んでいただきありがとうございました<m(__)m>





