2 中ボス相手に無双する
「こいつが二体目の中ボスか」
眼前には、身長五メートルほどの巨大な骸骨剣士がいる。
胸や腕、足など各部に紫色の甲冑を身に付けていた。
右手には巨大な曲刀、左手にはこれまた巨大な円形盾である。
「よし、ここは三体のアバターで攻めるタイミングだな」
すでに『竜戦士』のアバターのエネルギーチャージは終わっていた。
ろおおおおおおおおおっ。
不気味な雄たけびを上げて、骸骨剣士が向かってくる。
「『戦士』と『竜戦士』が前衛、『魔導師』は後衛だ。連係して倒せ!」
俺は三体のアバターに指示を出した。
骸骨剣士の振り下ろした剣を『戦士』が剣で受ける。
『竜戦士』が尾を繰り出すが、これは骸骨剣士の盾に弾かれた。
そこへ『魔導師』が火球を放つ。
ごうんっ!
骸骨剣士の頭部に亀裂が走った。
「よし、三体の連係攻撃なら十分戦えるな!」
俺も魔剣を抜いて走り出した。
三体のアバターは骸骨剣士と一進一退の攻防を繰り広げている。
やや優勢だが、決定的な一撃はまだ与えられない。
「なら、俺が――」
俺は魔剣を掲げて『五秒間の無敵フィールド』を発生させた。
「来い!」
その間は、俺が骸骨剣士の攻撃を引き受けた。
「俺ごとこいつを攻撃しろ、アバターたち!」
と、叫ぶ。
直後、『竜戦士』のドラゴンブレスと『魔導師』の光弾が立て続けに叩きこまれた。
俺の周囲に爆風や爆炎が吹き荒れまくっている。
無敵フィールドがあるおかげで無傷だけど――。
「やっぱ怖いな……」
確かに五秒間は無敵なんだけど、その五秒を過ぎた後で攻撃に巻きこまれたら、俺は大ダメージを受けてしまう。
下手すると死ぬ。
「……今後、この作戦はなるべく使わないようにしよう」
「ゼノさん、すごかったです!」
骸骨剣士を倒すなり、アリシアが駆け寄ってきた。
「クールな戦いぶりね」
「っていうか、怖くなかったの?」
カチュアとマーヤも駆け寄ってくる。
「……ぶっちゃけ怖かった。もうやらない」
「がははは、大胆な戦術だったがリスクも高そうだからな」
笑うギラール。
「ともあれ、無事で何よりだ。そしてきみ、あんたのおかげで中ボス撃破――礼を言うぞ、ゼノ」
と、グラントがねぎらってくれた。
「ああ、この勢いで次以降の階層もサクサク行こう」
俺はみんなに微笑んだ。
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