7 VS『侵食者』7
「撃ち落としてくれる!」
アウシルが次々と光弾を放ってきた。
「鳳竜牙剣!」
俺は新型の魔剣を掲げた。
ヴ……ンッ!
魔剣の能力である『五秒間の無敵フィールド』が展開される。
光弾群はそのフィールドに触れたとたん、霧散した。
「いける――」
このフィールドがあれば、光弾を気にせず突っこめそうだ。
俺は一直線にアウシルへと突っこんだ。
ジェットエンジンを全開にして、フルスピードで肉薄する。
「これで――」
フライトボードから飛び降り、俺はアウシルの頭部へと向かっていく。
特攻だ。
切っ先をまっすぐに突き立て、
「終わりだぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ざしゅぅぅぅっ……!
魔剣でアウシルの中心部を、貫いた。
「はあ、はあ、はあ……」
地面に降り立つ俺。
「おのれ……おのれぇぇぇ……」
アウシルの体が無数の黒い粒子になって分解されていく。
どうやら最後の一撃で致命傷を与えることができたようだった。
「人が、これ以上の力を得るのだとしても……その先に待っているのは、戦乱の……」
その声を残し、アウシルは完全に消え去った。
倒した――のか?
だけど、なんだろう。
胸の奥に残る、このざわめきは。
敵を倒した、という感覚がない。
俺は……本当に倒すべき敵を倒したんだろうか?
モヤモヤした気持ちが、消えない――。
と、
「アレを倒したのかい? 見事な手際だったね」
ルーファスがやって来た。
ニコニコ顔で本当に嬉しそうだ。
「予想以上の戦果だよ」
「えっ」
「せいぜい足止めしてくれればいい、くらいの気持ちだったんだけどね」
ルーファスが笑顔のままで言った。
「君は――いや、君たちは思ったよりも強くなっているみたいだ。さすがは『進化の間』に選ばれたスキル保持者だね」
――と、空中に光り輝く文字が表示された。
「これは……!?」
アウシルを倒したことで、さらにラインナップが追加されたんだろうか。
――――――――
・魔導分身体(竜戦士)……魔石R50個+魔石SR3個+混沌石1個と交換
※入手条件:他のアバターを二体以上入手していること。
――――――――
「『???』って表示されていたやつか、これ」
俺はハッと気づく。
ただ交換条件に『混沌石』ってのがあるな。
魔石とは違うんだろうか……?
「あ、そうだ。これを持っていくといい」
ルーファスはモンスターの死骸から何かを取り出した。
紫色の光沢を放つ石が、二つ。
いずれも表面が明滅している。
「魔石……?」
だけど、見たことがない色だ。
「魔石じゃないよ、これは――」
ルーファスが言った。
「混沌石さ」
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