6 VS『侵食者』6
「むう……ダンジョンをすべて踏破し、我らを異界に押し返すなど……本当にやるつもりか……」
アウシルがうめいた。
「そうはさせんぞ……我らの仲間がダンジョンから進出し、やがてこの世界に再侵攻する……」
「何……!?」
「ダンジョンとは……我らが閉じこめられた世界と人間界の間を塞ぐ蓋のようなもの……やがてそれは外れ、我らはこの世界に……あふれる……」
「何を、言ってるんだ……!?」
分からない。
分からないけど、すごく嫌な予感がした。
こいつの言うとおりには絶対にしちゃいけない、って予感があった。
そう、この世界を守るために――。
脳裏に浮かぶ、アリシアや仲間たちの顔。
そう、彼女たちの笑顔を守り、共に生きていくために――。
「お前たちの好きには、させない!」
そのとたん、空中にメッセージが表示された。
「これは――」
もしかして……。
期待を込めて、その表示を見つめた。
――――――――――
『アイテム交換所(ランク3)』
交換可能アイテム一覧
・?????(???)……一定条件で解放
↑new!
・鳳竜牙剣……魔石R30個+侵食者の魔石5個と交換
↑new!
・ジェットエンジン……魔石R35個と交換
↑new!
――――――――――
新しいアイテムは二つだった。
『?????(??)』に関しては相変わらず謎のままだが……。
まず、鳳竜牙剣の説明を見てみるか。
――――――――――
・鳳竜牙剣……双竜牙剣の強化版。
五秒間だけ敵の攻撃を無効化するフィールドを生成する。連続発動は不可。
――――――――――
「『侵食者』の魔石って……もしかして分身体を倒して出たやつか?」
試してみるか。
「鳳竜牙剣一本をその条件で交換してくれ」
呼びかけてみる。
ヴンッ。
すると、俺の手元に一本の剣が現れた。
双竜牙剣と違って、ショートソードくらいの大きさだ。
「お、交換できた」
ということは、やっぱり『侵食者の魔石』っていうのは、さっき分身体を倒して手に入れた奴のことだな。
ジェットエンジンの方も説明を見てみよう。
――――――――――
・ジェットエンジン……飛行系アイテムに組み合わせることで機能を発揮。そのアイテムの加速と最高速度を大きく上昇させる。
――――――――――
「飛行系アイテムって、この『フライトボード』もそうだよな」
魔石と交換して入手し、こいつをボードに取りつけた。
「さあ、最後の攻防だ――」
俺はフライトボードを発進させた。
ぎゅおおおおおおおおおおおっ!
ジェットエンジンの出力を最大にしてフライトボードで空中を翔ける。
まさしく矢のような速度を発揮し、俺はアウシルに突っ込んでいった。
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