4 VS『侵食者』4
こいつをどう攻略するか――。
思案した、そのときだった。
「【フリーズ】!」
突然響いた声とともに、分身体の一つが動きを止めた。
なんだ、一体――!?
怪訝に思いつつも、そいつに向かって新たな魔剣を叩きつけた。
ばしゅっ……!
中心部を貫き、爆散する分身体。
「いける――」
動きが止まっている状態なら、装甲の振動も止まっているんじゃないかと思って、攻撃してみたけど……正しかったようだ。
ただ、今のスキルは誰が放ったものなんだろう?
「この力――刻印名『アムディエル』のものか……!」
アウシルがうめく。
「えっ?」
振り返ると、そこに一人の少女がいた。
薄桃色の髪を長く伸ばした美少女で、背中に純白の翼が生えている。
天使アムディエルことアムだった。
「アム!? どうしてここに……?」
「ピンチのようでしたから、『アイテム交換所』の中から来ちゃいました」
ぺろりと舌を出すアム。
「本当は規則違反なんですけどね……あなたに情が移ってしまいましたから」
「助かったよ。ありがとう」
「さあ、サポートは私に任せてください」
アムが俺の側に降り立つ。
「私は天使です。直接あれと戦うことはできません。ですが――あなたを助けることはできます」
と、アム。
「ちなみに刻印名『ルーファス』も、ですね」
「あいつも、俺を助けることならできるっていうのか?」
「彼がその気になれば……まあ、彼は気まぐれですから」
アムが肩をすくめた。
「じゃあ、サポートを頼む」
「はい。あれは強敵です。アイテムを惜しみなく注ぎこんでくださいね」
「人に与する天使め……【光】の軍勢め……」
アウシルがうめいた。
「我ら【闇】の軍勢にどこまでも立ち向かうか」
「ええ、それが【光】の【光】たるゆえん」
アムが静かに告げた。
荘厳な、天使そのものの声音。
普段の態度とは、違う――。
これが天使としてのアムの――アムディエルの姿なのかもしれない。
「――ねえ、今のセリフかっこよかったですよね? ね?」
と、俺の顔を覗きこむアム。
「……あ、ああ、そうだな」
前言撤回、だ。
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