10 対峙
「なんだって?」
「『侵食者』――簡単に言えば、このEXステージでときどき生み出されるモンスターの一種さ」
ルーファスが説明する。
「放っておけば、ダンジョンの外に出て人や町を襲う。この場で殲滅しないと大きな被害が出るだろうね」
「大きな被害って……」
「はっきり言って強いよ。どうする、ゼノくん」
「……とりあえず行ってみるよ」
俺に太刀打ちできる相手かどうかは分からないけど。
放っておけば、外に出て人や町を襲う――なんて言われたら、そのままにはしておけない。
「そいつの場所は分かるか?」
「僕は『侵食者』の気配をたどれるからね」
と、うなずくルーファス。
「じゃあ、案内してくれ」
俺は腹を決めて言った。
俺たちは巨大なホール状の場所に出た。
その中心部に、そいつはいた。
黒い巨体。
六本の腕と、背中に生えた四対の翼。
そして赤く燃える六つの瞳――。
「なんだ、こいつは――」
「『侵食者』さ」
ルーファスがつぶやいた。
「えっ」
「その名の通り、この世界を侵食する存在……」
初めて見る、険しい表情だった。
「世界を、浸食……?」
「神や天使ではアレを直接倒すことはできないんだ。人間である君の出番だよ、ゼノくん」
「よく分からないけど、倒せばいいんだな?」
要はモンスター討伐だ。
「俺のアイテムがどこまで通用するか――まずは、やってみるよ」
どのみち、放っておけばこいつは人を襲うって話だったしな。
「行け、アバター!」
俺は二体のアバターを呼び出した。
さあ、勝負だ――。
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