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役立たずの冒険者、スキル覚醒で得た魔剣と魔道具で世界最強に至る  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 EXステージ

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73/90

9 天使の贈り物


「別に友だちになったつもりはないけど……」

「えっ、違うの!?」


 ルーファスはショックを受けたようだった。


「だって、会ったばかりだし……」

「せっかく気の合う人間を見つけたと思ったのに……思ったのに……」

「い、いや、ほら、これから友だちになるかもしれないし」

「天界じゃ一人も友だちがいなくて、ぼっち街道まっしぐらだったのに……そんな僕にもようやく心を開ける友ができたと思ったのに……思ったのに……」

「あー、分かったよ! 友だちでいい! 俺とお前は友だち! これでいいか!」

「ははは、それでこそ我が親友だ」

 一秒で立ち直りやがった、こいつ。




 俺たちはさらに進んだ。


「友だち♪ 友だち♪ 僕らは友だち♪」


 ルーファスはさっきからずっと上機嫌で、歌まで歌っている。

 俺が友だち宣言したのがよほど嬉しかったらしい。


「単純な奴……」

「ん? 何か言ったかい、我が友よ」

「なんでもない」


 でも、まあ……そこまで喜んでくれると、ちょっとだけ俺も嬉しいかな。


「もうすぐ出口だよ」


 ルーファスが言った。


「この先の角を曲がって、まっすぐ進めばたどり着く」

「そうか。やっと出られるんだな」


 俺はホッと一安心だった。

 と、そのときだった。


 うおおおおおんっ。

 うおおおおおんっ。

 ぶるるるおおんっ。


 何かがうなるような音は、何かの生物の声のようだ。

 重層的に響く不気味な声に、俺は自然と警戒態勢に入る。


「――まずいな」


 ルーファスがつぶやいた。

 さっきまでのお気楽口調ではなく、真剣な声だ。


「どうした?」

「奴が、目覚めた」


 俺の問いに答えるルーファス。


「『侵食者』が、ね」

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