2 攻略再開
「かなりアイテムが溜まったし、そろそろダンジョン探索を再開したいんだ」
俺はアリシアやグラントたちに相談していた。
「なるほど……確かにゼノの装備は相当充実しているしな」
「今なら最下層まで行けるかもしれない。みんなで攻略しないか?」
と、彼ら四人に呼びかける俺。
「いいと思います~」
アリシアが真っ先に言った。
グラントたちからも反対意見はなく、全員一致で最下層を目指そうということになった。
今のところ、彼らとは暫定パーティだけど、仲間になった縁だ。
全員でこのダンジョンをクリアしたい。
――というわけで、俺たちは『氷結都市のダンジョン』の攻略を始めた。
いつものように隠しスポットには寄らず、下へ、下へと進んでいく。
質・量ともに以前とは比べ物にならないほど充実した俺のアイテム群の力でモンスターや罠を次々に蹴散らしていく。
「あっという間に二十三階層か……」
ものの一時間もかからず、ここまで来た。
着々と、最下層へ近づいている。
ここまでの道中で苦戦らしい苦戦はまったくなかった。
俺のアイテムが充実している証拠ともいえる。
「本当に強くなってますよね、ゼノさん」
アリシアがにっこり笑って、俺に寄り添ってきた。
ちょうど見下ろすと、ぴょこぴょこと動く彼女の狐耳が視界に入った。
「う……モフりたい」
「えっ」
「い、いやいやいや、なんでもないからな! ちょっと願望が垂れ流しになりそうだっただけで」
いかんいかん、つい口に出していた。
なんの脈絡もなくアリシアに対して『モフらせてくれ』なんて言っても、さすがに彼女も困惑するだろう。
いや、不快に思うかもしれない。
ここは我慢だ、我慢。
熱い思いは胸に秘めておくんだ……!
「何か我慢してますか、ゼノさん?」
「えっ!?」
「様子が明らかに変です」
ぴょこん。
今度は彼女の尻尾が揺れた。
「ううっ」
モフモフ耳に加えてモフモフ尻尾か。
こいつは……強烈な誘惑だ……っ。
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