11 再挑戦、そして快進撃3
「そろそろ中ボスが出てくるかな……」
思い返せば、今までのダンジョンでは十や十五など五の倍数の階層で中ボスが出てきた気がする。
ダンジョンによって中ボスが出てくる層はまちまちらしいが、なんとなく五の倍数の階層では身構えてしまう。
と、その予感を裏付けるように、
おおおおおおおおおおおおおおおおおんっ。
咆哮が、響く。
声は前方からだ。
まっすぐな通路の奥から巨大なシルエットが近づいてきた。
「あれは――」
虹色の甲冑をまとった牛頭人が、ずん、ずん、と地響きを立てながら歩いてくる。
腕は四本あり、それぞれに大斧を握っていた。
「カイザーミノタウロス……!」
グラントがうめいた。
「えっ」
「ミノタウロスの超上位種だ。こいつが中ボスかよ……」
「強い……んですよね?」
「ああ、キングミノタウロスよりもけた違いにな」
キングミノタウロスは、このダンジョンでは通常モンスターとして出てくるものの、もう一つ下のランクのダンジョンならフロアボスになっていてもおかしくないレベルのモンスターである。
実際、俺も一度はキングミノタウロスを前に苦戦し、このダンジョンから撤退している。
「キングよりもけた違いに、か……!」
「ゼノさん……」
アリシアが俺の服の袖をそっとつかんでいた。
尻尾が不安げにふりふり揺れている。
「大丈夫だ。俺だって、あのときよりも装備をはるかに強くした。今度は――」
まずは、鑑定だ。
――――――――――――――――
名 前:カイザーミノタウロス
種 族:獣人族
レベル:630
体 力:4500/4500
魔 力:300/300
攻撃力:1020
防御力:853
呪 文:なし
装 備:ブラストアックス×4。物理攻撃力を常時30パーセント上昇させる。所持者のHPが25パーセント以下になった場合、さらに物理攻撃力を30パーセント上昇させる。
――――――――――――――――
「特定の属性とか、目立った弱点はないな」
俺はみんなに説明した。
「攻守ともにバランスが取れている。弱点を攻めるんじゃなく、オーソドックスな戦い方で崩し、倒す――という形になると思います」
「了解だ」
グラントがうなずいた。
「お前の判断に従う。なあ、みんな」
「そうね。強敵との戦いなら、あなたが一番経験が多い。きっとね」
と、カチュア。
「じゃあ、始めようか。中ボス攻略戦だ!」
俺はみんなに号令をかけた。
「いけ、アバター」
とりあえず最強装備であり最強の手駒ともいえる二体を前に出す。
「連係していくんだ。『戦士』は前衛、『魔導師』は後方から撃ちまくれ」
ヴ……ン。
俺の指示に、二体のアバターは双眸を赤く輝かせた。
了解、という返事代わりだろうか。
そして――中ボスバトルが始まった。
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