8 おすすめアイテム
「未来を……見る?」
「その未来を最適化するためのアイテムを新規でラインナップする――という理屈ですね」
と、アムが言った。
「よりよい未来を切り開くためのアイテム、ってことか?」
「そういうことです」
にっこりうなずくアム。
「じゃあ、この先に何があるんだ?」
俺はさらにたずねた。
「俺のスキルがもっと成長したら――成長しきったとき、そこにあるものはなんだ?」
「さあ、なんでしょう? そこまでは天使である私には分かりません」
アムが静かに首を振った。
「すべてを知る者は神だけですから」
「なるほど……」
じゃあ、その疑問はいったん置いておくとしよう。
「なあ、前から疑問だったんだけど、新しいアイテムってどういう条件で増えるんだ?」
この際だから聞けることを色々と聞いておこう。
「そうですね……基本的にはアイテムの交換数や交換するアイテムのランクによります」
説明するアム。
「それらが多いほど、あるいはランクが高いほど、ポイントが貯まりやすくなるんです。そしてそのポイントが一定値を超えると、新たなアイテムが入荷される――という仕組みです」
つまりは、アイテムをたくさん交換したり、ランクの高いアイテムを入手する……というのを繰り返していけばいいわけか。
「あ、そうそう。ここに来店しないと交換できない『天使のおすすめアイテム』が入荷してますよ」
アムがにっこり笑った。
「『天使のおすすめアイテム』?」
唐突に新しい単語が出てきたな。
「これはゼノ様に直接見ていただいたり、私から説明した上で、魔石と交換購入するかどうかを選んでいただくアイテムです」
と、天使。
「どれも交換に必要な魔石の数が多いですけど、その代わり役に立つことは保証しますよ。ただし、他のアイテムと違って交換は一回限り、かつ期間限定です」
「一回限りはいいとして……期間限定?」
「その期間を過ぎると二度と手に入りません」
天使が言った。
そう言われると、手に入れておきたくなるな……。
「とにかく、そのアイテムを見せてくれ」
「ふふ、それでは~」
天使がぱちんと指を鳴らす。
ヴンッ……!
鈍い音がして、目の前に二つのシルエットが出現した。
一体は重甲冑をまとった人形。
もう一体は魔法使い風のローブをまとった人形だ。
「この二体は『魔導分身体』といいます」
天使が説明した。
「持ち主の分身となって敵と戦うゴーレムの一種ですね。それぞれ『戦士タイプ』と『魔導師タイプ』になっていて、能力が違います」
名前の通り、一体は戦士の、もう一体は魔導師としての力を持っているんだろう。
「『戦士のアバター』と『魔導師のアバター』か……」
レベルアップしたモンスターを相手に、俺自身の能力では対処しきれない。
けど、こいつなら戦える、ってことか?
「どちらも自信をもってお勧めできます」
天使がにっこりと笑った。
「魔石Rが各50個必要になりますけれど」
「今までより随分と必要量が上がったな……」
「その分、効果も破格です」
呆れる俺に、天使は動じない。
「確かに――こいつは使えそうだ。両方くれ」
俺はここ二週間で稼いだ魔石の大半を差し出し、二種のアバターを手に入れた。
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