2 魔石集め
俺たちは引き続き食堂にいた。
「当面は魔石を集めようと思う」
俺はアリシアに今後の方針を話していた。
さっき話したことの、おさらいだ。
「アイテムをもっと数多くそろえて、こっちの戦力を上げてからダンジョンに挑んだ方がよさそうだ」
ついでに言えば、多くのアイテムを交換しているうちに、『交換所』のランクが上がるかもしれないし、新たなアイテムがラインナップに加わるかもしれない。
その中に有用なアイテムがあるかもしれないからな。
「まずは――装備の底上げだ」
「確かに、かなり難易度が上がってますもんねー」
俺の言葉にうなずくアリシア。
「魔石を集めるのはどこでやるんですか? 今回のダンジョンの上層で? それともDやEランクのダンジョンを他に探しますか?」
「うーん……今回のダンジョンの上層か、Dランクダンジョンの下層辺りで戦うか、迷ってるんだよな」
俺はうなった。
「たぶんCランクの上層とDランクの下層はそんなにモンスターの強さは変わらないと思うんだ。Cの方が強いことは強いけど、太刀打ちできないほどじゃない」
「連闘は厳しいけど、数戦ですぐに引き上げる分にはなんとかなりそうですもんね」
「そういうこと」
と、
「あんたら、ここのダンジョンに挑んでるのか?」
冒険者の一団が俺たちに話しかけてきた。
「あなたたちは――?」
俺とアリシアが彼らを見つめる。
四人組のパーティだった。
巨漢の中年戦士。
小柄な盗賊少女。
エルフ娘に老ドワーフ。
「俺たちはCランクのパーティだ」
と、リーダーらしき巨漢戦士が言った。
「実は俺たちも『氷結都市のダンジョン』に挑む予定なんだが……今はその下準備中なんだ。で、あんたらに話がある」
語る巨漢戦士。
「魔石を集めてるって話が聞こえてきてな。協力し合えないかと思ったわけさ」
「協力……ですか」
俺はあらためて彼ら四人を見つめた。
冒険者というのは、決して綺麗なだけの世界ではない。
むしろ、汚いことというのは、あちこちで横行しているらしい。
たとえば、冒険者同士のいざこざ。
それによる刃傷沙汰。
あるいは――手柄の横取り。
彼らを信用するか、否か。
俺は逡巡した。
と、
「……信じられる気がします」
アリシアが俺の耳元で言った。
「えっ」
「この方たちの目は澄んでいますし、邪気がありませんから」
「邪気……」
「狐の獣人は敏感なんですよ、えへん」
胸を張るアリシア。
「まあ、アリシアがそう言うなら――」
まずは彼らの話を詳しく聞いてみよう。
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