14 Dランクダンジョン、ラスボス戦決着
おそらく最後になるであろう、俺たちとラグナマシンとの攻防が始まった。
「おおおおおおおおおおおっ!」
猛然と突進する俺。
どんっ、どんっ!
敵は次々に砲を撃ってくる。
その威力は中ボスのラグナマシンを大幅に上回っているはずだ。
「くっ……当たってたまるか!」
砲口の角度から弾道を予測し、なんとか避け続ける。
集中力を極限まで研ぎ澄ませていた。
こんな戦い方――長くはもたない。
すぐに俺の集中力は尽きるだろう。
「その前に――攻撃射程まで距離を詰める!」
俺はさらに加速した。
両足がちぎれそうに痛む。
「それでも、加速だ!」
速く、もっと速く――!
ついにラグナマシンとの距離が五メートルほどまで縮まった。
よし、あと一息で攻撃できる間合いだ。
「アリシア!」
「了解です……【照明弾】!」
後方でまぶしい光が弾けた。
アリシアが渾身の魔力を込めた光魔法を放ったのだ。
ただし、これは攻撃目的じゃない。
【照明弾】。
名前の通り、照明用に光源を作り出す魔法だ。
それを最大出力で撃ってもらった。
うおおおおおおおおおおおおおんっ。
ラグナマシンが大きく後退する。
おそらくカメラ部分をやられたんだろう。
奴の視界が一時的に塞がっている間に、俺は一気に距離を詰めた。
ついに――ゼロ距離。
俺は思いっきりジャンプした。
奴の足の辺りをよじ登り、なんとか背中まで到達。
「これなら……!」
装甲の亀裂に向かって魔剣を叩きつける。
ザシュッ……!
よし。予想通り、装甲の下のボディには刃が通るぞ。
「このまま――」
俺はさらに何度も魔剣を叩きつけた。
六度、七度――。
ばきんっ!
八度目の刺突で、剣が半ばまで突き刺さり、そこで折れた。
バチッ、バチバチィッ!
内部の機械がショートしているらしく、ラグナマシンの動きが急に鈍くなる。
俺は剣を捨てて、地面に降り立った。
「ゼノさん!」
「どうにか……やったかな?」
俺は駆け寄ってきたアリシアとともにラグナマシンを見上げる。
静寂が流れた。
どっちだ?
ラグナマシンはまだ動けるのか?
それとも完全に機能停止したのか?
前者であった場合に備え、俺は身構えた。
警戒はまだ解かない。
隣でアリシアが息を飲んでいるのが分かる。
さあ、どっちだ――。
固唾をのんで見守る俺たちの前で、
どうっ……。
ゆっくりと倒れる巨体。
それっきりラグナマシンはピクリとも動かなくなった。
「勝った……」
ふうっ、と俺は大きく息をついた。
ラスボス戦、終了だ――。
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