13 Dランクダンジョン、ラスボス戦2
どうっ、どうんっ!
ラグナマシンが連続で砲を撃ってきた。
俺はその火線をかいくぐり、走り回る。
「どうした? 当ててみろよ!」
感情がない機械系のモンスターにどれくらい通じるか分からないけど、挑発してみる。
なおも砲を撃ってくるラグナマシン。
俺はその周囲を半周し、奴の動きを誘導する。
ちょうど、アリシアに背中を向けるような形になった。
「撃て、アリシア!」
「いきます、ゼノさん――【光の矢】!」
アリシアがその名の通り、光り輝く矢を放った。
ばしぃぃっ!
魔力で生み出された矢が、ラグナマシンの背後に命中する。
「どうだ……?」
うおおおおおおおおおおんっ。
見た感じ、ダメージを受けた様子はなかった。
「さすがにラスボスだけあって硬いな……」
俺は小さく息をつき、
「アリシア、とにかく撃ちまくってくれ。魔力が尽きそうになったら合図を。そのときの状態を見て、撤退するかどうかを判断するから」
「了解です~!」
――というわけで、俺たちはこの作戦を徹底的にやった。
幸い、近接戦闘では俺の方がラグナマシンより上のようだ。
『加速魔導装置』も使い、敵をひたすら翻弄。
その隙を突いて、アリシアがありったけの光属性魔法を撃つ――。
という感じで、たぶん五十発くらいは撃っただろうか。
「はあ、はあ、はあ……さ、さすがに魔力切れになりそうです……」
アリシアが荒い息をついていた。
かなり疲れているらしく、狐耳や尻尾が力なく垂れている。
「……分かった」
見たところ、ラグナマシンは多少のダメージを受けた様子だ。
特に背部装甲には大きな亀裂が走っていた。
「もしかして……」
ふと、思った。
光属性魔法以外ではダメージを与えられないのは、あくまでもラグナマシンの『装甲』である。
装甲の下のボディに直接攻撃を当てられれば、光属性魔法じゃなくてもダメージが通るんじゃないだろうか?
「……よし」
俺は考えをまとめ、アリシアに言った。
「次の作戦は攻撃パターンを変えるぞ」
さあ、ラスボス戦――決着のときだ。
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