7 中ボスバトル、ラグナタンク2
俺たちは作戦の相談をしていた。
「あいつは魔力を感知して、俺たちの居場所を特定しているみたいだ。それを利用して叩く」
「魔力を……」
「具体的には――」
俺は作戦内容を告げた。
「……了解です、ゼノさん」
「よし。それじゃあ最後の攻防といこう」
俺たちは物陰から物陰へと移動した。
ラグナタンクの位置は、移動の際の振動や砲撃などで丸わかりだ。
後はこっちの移動を悟られなければ、勝利が近づく――。
前進したり後退したり、フェイントを織り交ぜ、奴の探知を少しでも惑わせるように移動していく俺たち。
しばらく移動を繰り返し――やがて、まっすぐ続く通路の突き当たりに来た。
T字路になっていて、俺たちは右に曲がる。
そこに身を隠して様子をうかがった。
「来た……!」
俺たちを追いかけるように、ラグナタンクが一本道に入った。
ゆっくりと近づいてくる。
「魔力反応アリ……射程まで接近……接近……」
「よし、いいぞ。狙い通りに『誘導』できてる」
そして――ラグナタンクが通路の突き当たりにたどり着いた。
右の曲がり角に俺たちは身を隠している。
ラグナタンクは――。
『左』の角を向いた。
とどめの砲撃を食らわせようとした奴の動きが止まる。
「これは……」
奴が初めて戸惑った様子を見せた。
そこに置いてあるのは三発の魔法弾だけだ。
俺たちは反対側――右の曲がり角に身を隠している。
他のアイテムは収納エリアに隠し、アリシア自身の魔力は限界まで小さく抑えていた。
彼女の小さな魔力より、魔法弾三発分の強大な魔力の方に反応したのだろう。
「今だ――」
俺はすかさず飛び出し、杖を構えた。
ラグナタンクが振り返るが、もう遅い。
俺の攻撃の方が――速い!
「【旋風撃】!」
杖から風属性の魔法攻撃を放った。
奴の装甲にとって唯一の弱点である、風属性の攻撃を。
ごうんっ……!
爆音とともにラグナタンクの装甲が砕け散る。
のけぞったラグナタンクは動きを止めた。
倒してはいないが、ダメージが大きくて攻撃も逃走もできないんだろう。
「このまま押し切る……!」
十秒のチャージ時間を待ち、さらに追い打ち。
ごうんっ、ごうんっ……!
二発、三発と食らわせると、ラグナタンクは胴体部に大穴が空き、完全に動かなくなった。
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