6 中ボスバトル、ラグナタンク1
ラグナタンクが両腕の砲を撃ってきた。
「ちっ、さすがに向こうの方が射程距離が長いか!」
見た目からしてそうじゃないかとは思ったけど――。
俺たちが隠れている曲がり角は、その大部分が吹き飛ばされてしまった。
「魔力反応アリ……攻撃……攻撃……」
ラグナタンクが無機質な声で告げた。
どうやら向こうは俺たちが隠れていても感知できるらしい。
セリフの内容からして、俺たちの――というか、アリシアの魔力を感知しているのか?
あるいは、俺の持っているアイテムの魔力を感知している可能性もあるな。
などと考えていると、
ドウッ!
ドウンッ!
さらにラグナタンクは連続で左右の砲を撃ちまくる。
「こいつ、ダンジョンごと崩すつもりか!?」
「ひ、ひええええええ……」
俺たちは逃げるばかりだった。
一か所に居たら、あっという間に砲撃の餌食だ。
「あの砲火をかいくぐって本体に接近するのは、かなり危険だな……」
逃げながら、作戦を考える。
距離を取ったところで一方的に撃たれるばかりなんだけど、接近できない以上は仕方ない。
「まずはあいつが撃ってこられない距離まで離れるぞ」
「了解です」
俺たちはスピードを上げた。
とにかく距離を取る――。
作戦の立て直しである。
ドンッ、ドーン……!
断続的に響く爆音と砲音。
ラグナタンクはあいかわらず砲を連射しているようだ。
とはいえ、ダンジョンを崩さないギリギリの範囲で撃っているようだった。
何かそういう計算機能でもあるのか、器用な奴だ。
――なんて、感心している場合じゃない。
「あいつにどうやって近づけばいいかな……」
「正面から近づくのは無理ですし、回りこんで接近しても感づかれてしまいますからね……」
相談する俺たち。
杖の射程距離まで近づくことができれば、風属性の攻撃でダメージを与えられるはずだ。
一発で倒せるとは限らないから、できればヒットアンドアウェイ戦法を取りたい。
それを可能にするためには――。
「そうだ、これなら」
ふと、一つの作戦を閃いた。
「アリシア、協力してくれるか?」
「あたしにできることなら」
こくん、とうなずくアリシア。
「じゃあ、まずは――」
俺は彼女に作戦を伝授した。
見てろ。
奴を倒して、俺たちは先へ行く――。
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