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4 さらに下の階層へ

日間ハイファンタジー表紙入りです! ありがとうございます!

「もう少し下の階層まで行ってみるか」


 俺は決断した。


 最高記録の第十層までは、あと三層。

 けど、今日はもっと先まで行けそうな気がする――。


 とにかく魔石を稼ぎたい。

 以前の俺と違って、アイテム交換所の便利アイテムをいくらでも使えるんだ。


 もちろん魔石を消費するという条件付きだが。

 ともあれ、以前の俺よりはるかに強くなっているのは間違いないだろう。


 モンスター相手に効果のある武器やアイテムをいくつも呼び出せるし、また収納エリアにも保管してある。


 俺はさらに下の階層へと進んだ。


 ちまちまとモンスターを倒し、魔石を回収しつつ、進む。

 第八層、第九層、第十層……そして。


「よし、行くぞ……ここからは未知の領域だ」


 俺は第十一層へと降りた。


 危険は当然ある。

 けど、ドキドキとワクワクの両方がこみ上げていた。


 自分が強くなった実感と。

 その強さを試してみたいという高揚感。


 両方が俺の中を心地よく駆け巡っていた。




 しばらく進むと、モンスターの気配を感じた。


 俺は冒険者としては底辺といっていい弱さなんだけど、『モンスターの気配を察知する』能力に関しては自信がある。


 というか、ソロなので気配に敏感じゃないと、いきなりモンスターの不意打ちを食らって死ぬ、なんてこともあり得るからな。

 自然と鍛えられたのだ。


 俺は物陰に隠れ、周囲を見回した。


「……いた。あれか」


 ちょうど三時の方向に、全長一メートルほどの巨大なムカデを発見する。

 数は十五体。


 見た目が気持ち悪いので、あまり正視したくない軍団である。


「さっきビッグアントに使ったのと同じ罠アイテムを使ってみるか――」


 俺は魔石を消費して、アイテムを入手する。

 さっきと同じ爆撃魔法の罠アイテムだ。


「上手くかかってくれよ……」


 俺は念を込めながら、罠を設置した。

 ただしビッグワームの動きは、ビッグアントほど整然としていない。


 全部がきっちりと罠の中に収まる……という動きをしてくれない。


「モタモタしていたら、大半が効果範囲の外に出てしまう。ここでいくか……!」


 十五体中、効果範囲に入っているのは十二体。

 けど、たぶんこれが限界だろう。


「【起爆】!」


 俺は呪言を唱えた。


 ごうっ!


 青い火柱とともに十二体のビッグワームが倒れる。


 Nの魔石が一体につき七個――合計で八十四個、その場に転がった。


 だけど、まだ三体が生き残っている。


 しかもその三体はどうやら俺に気づいたようだ。


「こいつらは直接やるしかない――」


 剣を抜いて立ち向かう。


 ざんっ!


 一体を正面から切り伏せた。

 さらにもう一体目もなんとか両断する。


 が、その間に三体目の攻撃を食らって、俺は吹き飛ばされる。


「ぐっ……!」


 体がしびれる。


 こいつ【毒】攻撃があるのか……?


 なおも向かってくるビッグワーム。


「『毒消し』を!」


 俺は空中に向かって叫んだ。

 収納エリアから、毒消し草を一本取り出し、口に入れる。


 すうっと体から痺れが消えた。


「余った魔石で毒消し草を買っておいてよかった……」


 立ち上がった俺は最後の一体を切り伏せた。


「はあ、はあ、はあ……」


 なんとか勝てたけど、やっぱりソロは大変だ。


 ぴろりーん。


 ――と、そのとき甲高い音が聞こえた。


 レベルアップのときに聞こえてくる音だ。


 今の戦闘で俺のレベルが一つ上がったらしい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] うんそうですね。 [気になる点] わかりやすいですし、サクサク感もいい感じだと思います。 [一言] 下記の「連載中、応援お願いします。」と書いてところで、背景の色と題名色がほぼ同じでなん…
[一言]  罠1個使って、N魔石84個じゃ赤字だ。  120個だって、20個しかプラスにならないのに。  まあ、トントン位なら、レベル上げにはなるから良いのかな。
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