5 二十二階層
ごごご……ごご……。
周囲から地鳴りのような音が聞こえてくる。
足音とも違う感じだ。
地面全体が震えるような――そんな振動。
「なんだ……?」
「何かが近づいてきます……後方からですね」
アリシアが狐耳をぴょこぴょこと動かしていた。
音で接近してくる方向を察知したのか。
俺たちは前方に向かって駆けだした。
曲がり角を曲がって、そこに身を隠す。
曲がり角の向こうには、長い真っすぐな通路が伸びているから、敵が現れたら先制攻撃をかけやすい位置取りである。
「どんな奴が来るんだ……?」
緊張感が高まった。
おそらく、このダンジョンの中ボスモンスターだ。
ラグナマシンと似たようなレベルなのか、もっと強いのか――。
「――来ます!」
アリシアが言った
直後、通路に巨大なシルエットが現れる。
下半身は大きな台車のような形をしており、そこに人型の上半身が乗っている。
両腕は大砲を装備していた。
――――――――――――――――
名 前:ラグナタンク(第四世代型)
種 族:機械族
レベル:380
体 力:1620/1620
魔 力:0/0
攻撃力:660
防御力:562
呪 文:なし
装 備:複合魔導装甲。風属性をのぞく全属性魔法と物理攻撃を遮断する。
――――――――――――――――
「レベルがとんでもない数字だ。ラグナマシンと一緒だな」
俺はふうっと息を吐き出した。
中ボスが現れることを予想していても、いざ現れてみれば、やはり緊張してしまう。
だけど、緊張するばかりじゃない。
不安も恐怖も――全部打ち勝って、倒すんだ。
こいつを。
そして下の階層に進んで見せる。
それに、
「名前からしてラグナマシンの同類か。弱点まで似たような感じだな……ちょうどいい」
風属性の魔法攻撃なら、この『水神と風神の杖』から撃つことができる。
俺はさっそく杖を構えた。
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