3 再戦ラグナマシン2
ボウッ!
ラグナマシンの胸から光弾が撃ち出された。
同時に、
「【ディーリアクト】!」
アリシアの呪文が発動する。
中級の防御魔法だ。
バチッ、バチバチィッ……!
アリシアの防御フィールドとラグナマシンの光弾がぶつかり、せめぎ合う。
防御フィールドは激しく明滅し、今にも押し切られそうだった。
「数秒耐えてくれれば十分だ。助かったよ、アリシア」
俺は杖を振りかぶった。
一撃を放つのに十秒程度の魔力チャージが必要だ。
だけど、その時間をアリシアのおかげで稼ぐことができた。
「【水流撃】!」
放った水流がラグナマシンの装甲を吹き飛ばし、胴体部を粉々に砕いた――。
「ふうっ、どうにか倒せたな……」
胴体に大穴が空き、そのまま動かなくなったラグナマシンを見つめ、俺は一息ついた。
「アリシアが手を貸してくれたおかげだ。ありがとう」
「えへへ、少しでもお役に立てたならよかったです」
「少しどころか、十分に役に立ってくれたよ。ラグナマシンを倒したのは、俺たち二人の力だ」
「えへへへへ」
俺が再度礼を言うと、アリシアは嬉しそうに微笑んだ。
狐耳がへにゃっと垂れている。
照れと喜びが混じった表現だろうか?
そんな姿も可愛らしい。
もふもふしたい……。
って、さすがに駄目か。
「うーん……」
アリシアが周囲を見回した。
「どうした?」
「敵モンスターも近くにいなさそうですし、少しだけなら……いいですよ?」
俺を上目遣いに見上げるアリシア。
「えっ」
「だから……もふもふ、です」
アリシアが恥ずかしそうに言った。
「いいのか?」
「もうっ、何度も言わせないでください……」
ますます恥ずかしそうにするアリシア。
「じ、じゃあ、ちょっとだけ……」
「はい」
アリシアがすっと頭を差し出す。
ぴょこん、と狐耳が揺れた。
狐の尻尾も揺れていた。
「もふもふ……もふもふ……」
俺はまず狐耳を愛でた。
手のひらで触れ、撫でさする。
「うう、気持ちいい……」
次は尻尾だ。
「こっちも……もふもふ、もふもふ……っ」
柔らかいし、気持ちが安らぐ。
やっぱり、もふもふはいいなぁ。
さっきまでの戦いの緊張や不安が全部溶けて、心の中いっぱいに癒やしが広がっていく――。
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