2 再戦ラグナマシン1
「【水流撃】!」
俺は杖を一振りする。
その名の通り水流がほとばしり、ラグナマシンを直撃した。
うおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ。
悲鳴にも似た音を上げ、後退するラグナマシン。
「効いてる――!」
あれだけ防御が硬かったラグナマシンが――。
その装甲にいくつもの亀裂が走っていた。
がしゃんっ。
ラグナマシンの拳がナックルガードに覆われた。
攻撃形態、ということだろうか。
全身から蒸気を吹き出すラグナマシン。
おおおおおおおんっ!
雄たけびにも似た駆動音とともに、その巨体が突っこんでくる。
俺は杖を背中に収め、代わりに魔剣を抜いた。
正面から奴の拳を受け止める。
「くっ……!」
すさまじいパワーで吹き飛ばされそうになる。
俺は正面から受け止めるのを諦め、相手の攻撃を斜め方向にずらした。
ラグナマシンがさらに拳を振るう。
ふたたび攻撃の方向をずらして、いなす。
三度、四度と強烈なパンチを繰り出してきたが、いずれも同じ要領でいなした。
「しのげる――」
以前ならパワーで押し切られていただろう。
けど、底上げされた今の俺の膂力は、ラグナマシンの一撃をどうにか受け流すことができる。
俺はラグナマシンの拳のラッシュをいなし続け、隙を見て後退した。
反撃だ――。
大きく距離を取ると、杖を振るった。
一撃を放つたびに、この杖は十秒間の魔力チャージが必要である。
さっきの攻防ですでに十秒のチャージ時間は稼ぎ終わっていた。
「【水流撃】!」
杖から大量の水流を放つ。
バギィッ……!
ラグナマシンの装甲にふたたび亀裂が走る。
「よし、これを繰り返せば勝てる!」
ラグナマシンは近接戦を諦めたのか、後退していく。
がしゃんっ。
今度は胸の装甲が開いて、砲口が現れた。
砲撃が来る――。
「アリシア、防御魔法って使えるか?」
「は、はい、いちおう……」
「じゃあ、頼む!」
たぶん、これが最後の攻防だ。
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