1 ふたたびダンジョンへ
『店』を出た俺は、元の場所に戻ってきた。
「ゼノさん!」
アリシアが駆け寄ってくる。
「突然いなくなるから心配しました」
「ああ、ちょっと別の空間に移動していたみたいだ」
「別の空間……?」
「スキルの新しい領域っていうか……まあ、おいおい説明するよ」
俺はアリシアに言った。
それからさっき交換した杖を見せる。
「で、アイテムもこの通り、手に入れてきた」
「わあ、やりましたね!」
「これで中ボスに対抗できるかもしれない。あと、もう一つ――俺のステータスを底上げしてくれるアイテムも手に入れた」
俺とアリシアはふたたび『雷鳴都市のダンジョン』に入った。
途中まではもはや楽勝だった。
アイテムの力もあるが、何よりも俺のステータスが底上げされたのが大きい。
低階層のモンスターは普通に剣で倒すことができた。
「俺、強くなってるな……!」
思った以上にステータスが上がっている感じだ。
「すごいです、ゼノさん」
と、アリシアが耳や尻尾をぴょこぴょこさせた。
うう、もふもふしたい……。
俺のもふもふ欲を心地よく刺激してくるなぁ、アリシアって。
まあ、それは後だ。
ともあれ、俺たちは道中で特に苦戦することがないまま、問題の十五階層までやって来た。
中ボス、ラグナマシンがいる階層である。
「今度は勝つぞ」
「はい」
俺とアリシアはうなずき合い、進む。
ずしん、ずし……ん。
足音とともに、巨大なシルエットが近づいてきた。
丸い胴体に細い手足、頭部には赤い単眼――というデザインの機械人形型モンスター。
ラグナマシンだ。
奴は赤い目を光らせて、俺たちを見ている。
機械だけに感情はないと思うが、なんとなく俺たちを見下しているような雰囲気があった、
一度、退けた相手だという自信だろうか。
「だけど、今度は――前とは違うからな」
俺は『水神と風神の杖』を構えた。
さあ、リベンジマッチだ――。
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