15 ランク2に進化
ブルーオーブと魔石――必要な交換材料はそろった。
「よし、さっそくアイテム入手だ」
俺は【アイテム交換所】を発動した。
いつものように前方に光があふれ、交換アイテム野一覧が表示される――。
ぴろりーん。
突然、チャイムのような音が鳴った。
「ん?」
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アイテム交換数やスキル使用回数などの数字が規定回数に達したため、『アイテム交換所』がランク2になりました。
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アイテム一覧の代わりに、そんなメッセージが表示された。
「えっ……?」
交換所がランク2になった、ってどういう意味だろう。
疑問に思った次の瞬間、周囲の景色が一変した。
「えっ? えっ?」
そこは、真っ白い空間だった。
前方には一軒の店がある。
そう、店だ。
看板には『アイテム交換所』とあった。
「まさか……」
俺はごくりと息を飲んだ。
今まで【アイテム交換所】っていうのは単なるスキル名だと思っていた。
だけど、実際に異空間に同名の『店』が存在するのか?
店の扉は開いている。
その奥からは淡い光がもれていた。
「店の中に入れる……のか?」
俺は半ば引き寄せられるように、入り口に進む。
中に、入った。
「これは――」
内部は二十メートル四方くらいだろうか。
壁一面にずらりと武器や防具、その他にもさまざまな道具が並んでいる。
「ようこそ、『交換所』内部に」
前方で光が弾け、何者かが現れた。
「君は――」
驚いてその人物を見つめる。
薄桃色の髪を長く伸ばした、絶世の美少女だ。
背中からは純白の翼が生えている。
「この領域を司る天使にございます、ゼノ様」
彼女が深々と頭を下げた。
「天使……?」
「EXスキルとは神や魔の領域に到達した者の異能です。私はその者に付き従う天使――アムディエル」
彼女が微笑む。
「どうか、アムとお呼びくださいませ」
「天使……?」
突然現れた彼女に、俺は面食らっていた。
この『交換所』はなんなんだ?
一体、なぜ天使なんて存在が出てきたんだ?
俺のスキル――EXスキルのことを『神や魔の領域に到達した』なんて言ってるけど、どういうことだ?
分からないことだらけで、頭の中が「???」で埋め尽くされた。





