8 Dランクダンジョンの中ボス
外見は丸い胴体に細い手足、頭部には赤い単眼が備わった機械人形だ。
魔導装置で動くゴーレムの類か……?
「さっそく、こいつの出番か」
俺はさっき入手した『魔導鑑定装置』を取り出し、作動させた。
「見える――」
奴の情報が頭の中に浮かび上がった。
それによると――、
――――――――――――――――
名 前:ラグナマシン(第三世代型)
種 族:機械族
レベル:362
体 力:1800/1800
魔 力:0/0
攻撃力:530
防御力:729
呪 文:なし
装 備:複合魔導装甲。水属性をのぞく全属性魔法と物理攻撃を遮断する。
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「複合魔導装甲……?」
説明を読むと、なかなか厄介そうな感じだ。
と、
「侵入者を……排除」
ラグナマシンが右腕をこちらに向けた。
右腕が大きく展開し、巨大な砲口が現れる。
「まずい――」
魔法弾でも撃ってくる気か!?
「ここはあたしが――【反射の水鏡】!」
アリシアの尻尾から青い輝きがあふれた。
俺たちの前に鏡のような魔力フィールドが出現する。
直後、
ボウッ!
ラグナマシンが右腕から魔力弾を撃ってきた。
アリシアの防御フィールドに衝突し、フィールドを激しく歪ませる。
「お願い……耐えて……!」
アリシアが叫んだ。
防御フィールドは激しく明滅しながら、なんとか魔力弾を跳ね返す。
「ふう……なんとかなりました」
「助かったよ、アリシア」
俺は彼女に礼を言った。
それから前に出て、突進する。
奴が第二撃を撃ってくる前に、速攻でケリをつける!
「おおおおおっ!」
俺は『双竜牙剣』を叩きつけた。
火炎を食らわせ、炎と斬撃の二重攻撃を仕掛ける。
が、ラグナマシンは微動だにしなかった。
装甲には傷一つつかない。
「こいつ――」
俺は大きく跳び下がった。
やっぱり、さっき鑑定した情報の通りか。
俺の手持ちの武器じゃ、たぶんこいつにダメージを与えられない。
攻撃力はそこまで高くなさそうだけど、こっちの攻撃が通らないんじゃ勝ち目はない。
「――よし、いったん退くぞ」
俺は決断した。





