7 十五階層
俺たちはさらに進んだ。
第十四階層まで一気に降りる。
ちなみに戦っている間に、レベルが一つ上がった。
これで40レベルである。
「意外とスムーズに進めるな」
「ええ、ダンジョンのランクが上がったから、もっと苦戦すると思ってました」
と、アリシア。
「やっぱり……ゼノさんが前より強くなっているんじゃないでしょうか?」
「俺が……」
ここまで罠や魔法弾を併用しながら、どうにか突破している状況だ。
「レベルは一つ上がったけど、そこまで変わらないんじゃないかな」
「いえ、アイテムを使った『戦い方』に慣れてきているんじゃないかな、って思って」
「慣れか」
「ええ、最初に見たときよりも、モンスターをあっさりと倒していっている気がします」
「なるほど。それはあるかもしれないな」
俺自身の直接的な強さよりも、アイテムを加味した総合的な強さにおいて――俺は以前よりも戦闘技術が上がっているのかもしれないな。
と、そのときだった。
ぴろりーん。
そんな音とともに、空中に文字が表示される。
――――――――――――――――――――――
『アイテム交換所(ランク1)』
交換可能アイテム一覧
・水神と風神の杖……魔石R6個+ブルーオーブ100個と交換
↑new!
・バインドガン……魔石R3個と交換
↑new!
・魔導鑑定装置(ランク1)……魔石R2個と交換
↑new!
・双竜牙剣……魔石R5個と交換
・加速魔導装置(ランク1)……魔石R3個と交換
・クロスボウ&魔法の矢1本(即死タイプ)……魔石R2個と交換
・魔法の罠・低級(爆破タイプ)……魔石R2個と交換
・魔法弾・低級……魔石R1個と交換
……etc
※アイテムは随時追加されます。
※交換アイテムが一定数を超えることで『アイテム交換所』のランクが上がります。
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「お、【アイテム交換所】に追加の新規アイテムが来たみたいだ」
杖は今すぐにはいらないかもしれないけど、『バインドガン』と『魔導鑑定装置(ランク1)』は何かと使い勝手がよさそうだ。
よし、交換しておこう。
「あれが下のフロアに続く階段か」
この十四階層もそれほど手こずることなく、階段まで来ることができた。
「すごいです……初見ですでに半分近くを踏破なんて」
と、アリシア。
「敵が強くなってるってことは、倒せばより多くの魔石を入手できるってことだからな」
俺が言った。
「魔石を多く手に入れて強力アイテムと交換。それを使って、さらにモンスターを倒して魔石も手に入れて、また強力アイテムと交換――って感じで、いい循環になってる。おかげでここまでスムーズに来ることができたんだ」
俺たちは十五階層に降り立った。
「……そろそろ『中ボス』が出てくるかもしれないな」
「ですね」
俺たちは顔を見合わせ、周囲を警戒した。
ほどなくして、そんな俺たちの警戒心に応えるように――中ボスモンスターが、現れた。





