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第3章 雷鳴都市のダンジョン

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22/90

4 商人フリージア

 俺たちは馬車に駆け寄った。


「大丈夫でしたか?」

「は、はい……」


 貴族風のドレスを着た二十代半ばくらいの女が答える。


 その傍には執事風の初老の男と御者らしき中年男。

 そして、ジャイアントワームと戦っていた十代後半くらいのアーチャー少女がいる。


「危ないところをありがとうございました。私は商人をしておりますフリージアと申します。隣の都市から仕入れた商品を実家まで届けるところでした」


 名乗るフリージアさん。


「さっきは助かった。ありがと」


 と、アーチャー少女が礼を言う。


「あたしはセシルだ」

「俺はゼノ・フレイザーといいます。こっちは相棒のアリシア・ライゼル」


 俺が名乗り返した。


「我々はレッドオーブやブルーオーブなど貴重な宝石を運んでいたのです。ジャイアントワームは宝石を食べる習性がある、と聞きますので、それに釣られて出てきたのかもしれません」


 フリージアさんが言った。


「ジャイアントワームは、この街道にはまず出てこない――と聞いていたので、少し無防備でした」

「なんにせよ、無事でよかったです」


 と、俺。


「では、俺たちはダンジョンに向かうのでそろそろ……」

「ダンジョン?」


 立ち去ろうとしたところで、フリージアさんがたずねた。


「ええ、この先にある『雷鳴都市のダンジョン』に行く予定です」

「冒険者の方ですのね。よろしければ、私たちの馬車に乗っていきませんか? お礼はいずれ正式にさせていただきたいと思いますが、まずはダンジョンまで送らせていただければ、と」

「だね。見たところ歩きだろ? 馬車の方が速いよ」


 セシルが言った。


 どうしよう――。

 俺はアリシアと顔を見合わせる。


 まあ、せっかくだし好意に甘えるとするか。

 装備をつけた状態で、まだ二時間近く歩くのは、けっこう大変だしな。


「分かりました。ではお言葉に甘えて、乗せていただきます。ありがとうございます」


 俺とアリシアは丁重に礼を言い、フリージアさんたちの馬車でダンジョンまで送ってもらうことになった。




 馬車はさすがに速く、十五分ほどで『雷鳴都市のダンジョン』前までやって来た。


「ありがとうございました」


 俺とアリシアがそろって礼を言う。


「いえ、これくらいは当然のお礼です」


 フリージアさんが微笑む。


「私たちはここまでです。それではどうかご武運を」

「がんばれよ、二人とも!」


 フリージアさんとセシルが俺たちに挨拶をして、去っていった。


 あらためてダンジョンを見据える。

 岩肌の入り口の向こうには、オレンジ色の石でできた迷宮の一部が見えた。


「ここがDランクダンジョンか……!」


 気持ちが引き締まる。


 さあ、探索開始だ――。

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