何事にも初めが肝心である
『寒っ、、』
季節は春、だがまだ肌寒い
今日は高校の入学式
あっという間過ぎていく1年を何度か繰り返せば、高校生になる
突然だが、ジャネーの法則とは何か知っているだろうか
ジャネーの法則とは人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する
5歳児にとっての1年は人生の5分の1だが、俺たち16歳の1年は人生でいう16分の1
つまり、歳をとればとるほど体感時間が短くなるということ
「もう1週間たったのか」と思う人がいるのも、この法則のせいってこと
別に俺はジャネーの法則がどうかを言いたいわけじゃない
別に高校生になるのも、正直楽しみだ
法則は俺の雑学披露
「なにブツブツ言ってるのあーちゃん」
『なんだよ結』
「ちゃんと前見ないと転んじゃうよ」
この歳でさすがに転ばんて
今話しかけて来たのは幼なじみの七瀬結
ちなみに俺はあーちゃんじゃなくて、月島葵です
結 「ねぇ、聞いてる?」
『聞いてるよー』
結 「そんなんだと友達出来ないぞ〜」
『余計なお世話』
結 「もう、そんなこと言わないでよー」
ザワザワ
結 「ここかぁ、」
男 「ご入学おめでとうございます。体育館はあちらになります。」
入学式では定番である校長の話しは長い
『疲れたー』
結 「早くクラス行こ」
『え?』
結 「え?」
『え?』
結 「だって一緒のクラスじゃん!」
『あーなるほどね〜』
結 「なにその嬉しくなさそうな態度」
『いや、別にそんなつもりないですけど、』
結 「もういいから行こ」
ガラッ
俺たちが入ると既にほとんどの人が着席した状態だった
結 「はぁ、緊張してきた。あーちゃんは?」
『俺は別に』
まぁ少しは緊張するかも、、
俺が席に座ると、隣の席のやつに話しかけられた
「はじめまして、俺の名前は上村隼斗って言います。よろしく!」
『あ、俺は月島葵。よろしく、』
せっかくだし、仲良くしてもらおう
隼斗 「さっき一緒に入ってきた子って彼女?」
『え、いや幼なじみだけど』
隼斗 「そうなんだ、めっちゃ可愛いね」
『そう、か?紹介しよっか?』
隼斗 「いや、それだと俺が外見で判断したみたいじゃん」
『違うの?笑』
隼斗 「やめろよ笑」
意外と良い奴なのかもしれない、、と思った
そして初日の学校といえば、自己紹介がメインだろう
先生 「では、名前順で自己紹介していこう」
隼斗 「こういうのって、ちょっと緊張するよな?」
こういう時のやり方は、ちゃんと分かっている
第一印象が大事なのだ
次は上村の番だ
隼斗 「はい!上村隼斗です!友達たくさん作りたいので、よろしくお願いします!!」
先生 「上村は元気がいいなぁ」
するとクラスから少し笑い声が聞こえた
上村のおかげで場が和んだというわけだ
そんなこんなで俺の番がやってきた
先生 「えーでは次、月島」
『えーっと、月島葵です。皆と仲良くなれるよう頑張ります』ニコ
笑顔作ればなんとかなる
っていう俺の自論
隼斗 「おぉ、やるなあ葵」
『上村も大分良かっと思うけどな、笑』
隼斗 「バカにしてるだろ笑笑」
当然のごとく結の番もきた
結 「はじめまして、七瀬結です!部活とかはまだ決めてないんですけど、皆とたくさん仲良くできるように頑張るので、よろしくお願いします。」
ザワザワ
周りの生徒が少しざわつき始める
隼斗 「おぉ!」
『おぉ!じゃねぇよ』
だが仕方がないともいえる
結は人当たりが良い、というより性格が良い
なんなら見た目がいいからな
ということで自己紹介は終わった
もちろん全員覚えられた訳じゃないが、努力はしよう
隼斗 「なぁ、葵」
『なに上村』
隼斗 「隼斗でいいって」
『分かった。隼斗なに?』
隼斗 「あのですね、頼み、たいことが、あるんですが」
『ん?』
隼斗 「実は、七瀬結ちゃんと話したいなって、」
『え、そんな気に入った?』
隼斗 「いや、そういう言い方するなよ!」
『分かりやすいな、』(´・ᵕ・`)
するとこっちの視線に気づいたのか結がやってきた
結 「あーちゃん、友達出来たの?」
隼斗 「あーちゃん、?」
『気にするな。こっちは上村隼斗だよ』
隼斗 「は、はじめまして、、」
緊張しすぎじゃない?
俺の時とは大違い〜
結 「はじめまして、隼斗くん?」
「うわぁ、、」って思ってる隼斗が見える
隼斗 「よろしく!」
結 「うん、よろしくね!」
するとさっきまで結と話していた女子数人がきた
女子 「結ちゃん、知り合い?」
結 「うん、こっちは今友達になった隼斗くん」
隼斗 「友達、、」
凄い目輝かせちゃって、
結 「で、こっちは幼なじみの葵」
『どうも』
結 「もうちょっと何か言いなよ〜」
『さっき自己紹介したし、』
隼斗 「よろしく!」
結 「こっちも紹介するね。こっちは橘綾音ちゃん」
綾音 「こ、こんにちは」
目があったので挨拶をしてみる
『はじめまして、よろしく』
すると、すぐに目を逸らされた
隼斗 「俺もよろしく」
綾音 「う、うん」
あれ、俺なんか、嫌われてます?
無視されてない??
下校時間、といっても初日だからすぐだけど、
初日にしては良い出だしと言えるのではないか
隼斗と友達になり、数人の女子(1人はなんかよく分からん)と話すことが出来た
隼斗 「じゃあ、また明日!」
下校する生徒で、クラス内は少なくなっていった
『おう、じゃあな』
結 「じゃあね!」
隼斗の奴ニッコニコで帰りやがったぞ
結 「あーちゃんも帰ろ?」
『うん』
そして下校中、俺はある質問をしてみた
『なぁ、結』
結 「ん?」
『あぁ、その、綾音ちゃんって子俺のこと何か言ってた?』
まぁ、回りくどいのも面倒だから、素直に聞いてみた
結 「え、ちょっと待って、あーちゃんって綾音ちゃんみたいな子がタイプなの!?」
『いやなぜそうなる?』
いや、聞き方が悪かったか、
『そういうのじゃない。普通に何か言ってなかったか?』
結 「いや何も、でもどうして?」
『その、なんか嫌われてる気がして、』
結 「え、まだ初日だけど」
『そんなの分かってる』
結 「なんで嫌われてるって思うの?」
『自己紹介してきた時、俺が声かけたの無視された、』
結 「そんなことだけで嫌われてると思ったの??」
『そんなことではない、隼斗には反応してたんだよ』
結 「気のせいだと思うよ?綾音ちゃん人見知りだから」
無視されたのに気のせいとかないだろう、、
『まぁいいや、確かにまだ初日だしな』
俺にしては気にし過ぎだな、、




