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序章 犯人

挿絵(By みてみん)

残暑厳しい八月末。

朝だというのにうだるような暑さが身にまとう。

ヒドイ汗をかきながら、射手矢海馬いてやかいばは目を覚ました。

「ハァ・・・ハァ・・・。」

呼吸は荒い。

久々に、彼は悪夢にうなされていた。

「ま・・・まさか・・・?」

彼にとって悪夢というワードはとても重要な意味を持つ。

「この悪夢は・・・デジャヴ・ドリーム?」

デジャヴ・ドリームとは、人の不幸を察知して夢で共有できる特殊能力者【エリ】の能力である。

故意に脱線事故を起こして星祭りに来ている人を皆殺しにしてしまう「脱線事故事件」。

町の人を幽体離脱させ魂と体にある生命線を一斉に切り離して殺そうとした「幽体離脱事件」。

それらの事件ではエリの能力が活躍し、海馬達は生き延びることが出来た。

エリの夢では、「死んでしまう予定の人」か「犯人」が夢が覚めるまで生き残った場合に記憶を引き継げるのだった。

何度も殺される地獄の夢のループを海馬は生き延びたことがある。

「夢・・・昨日と同じだったような?・・・けど・・・まさか?」

海馬の汗は止まらない。

自分の手を見るが、震えが止まらなかった。

鏡を見るとそこには顔面蒼白な自分がいる。

「いや・・・まさかね・・・?」

海馬はその鏡に向かって話しかける。


「まさか・・・僕が皆を・・・殺すはずないよね・・・?」


悪夢・・・先ほどまで見ていた赤い夢・・・。

そこでは、海馬が大事な人を殺していた。

しかも・・・ただ殺していた訳ではない。


「食べていた・・・よね?」


海馬は青筋を立てて口を押える。

「気持ち悪っ・・・。」

(何が・・・何が起こるんだこれから・・・!?)

気持ちだけが焦るが、まだ早朝の5時。

海馬は今見た夢を覚えているだけ日記に書き始める。

きっと、夢のループの中で記憶が一番の手掛かりになるからだ。


こうして、海馬だけが一足先に異変に気付く。

今回もまた、訳の分からない事件が起ころうとしている事に。


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